中世史

千々和到『石碑と石塔の祈り』

 関東地方で山を歩いていると、至るところで見る板碑についての概説書。

 やはり類書がないので、助かる本である。

末木文美士『中世の神と仏』

 主として鎌倉時代から室町時代にかけて、神仏習合の理論がどのように変遷してきたかをあとづけた書。

 支配者・民衆の信仰実態については、ほとんど書かれていない。

松尾剛次『中世都市鎌倉を歩く』

 主として鎌倉時代から戦国時代までの鎌倉の歴史。

 この本を読むと、鎌倉に行ってみたくなる。

五味文彦『中世社会と現代』

 中世という時代の魅力は、民衆が自分の人生を生き生きと生きている点にあると思う。

 いつの時代にも、民衆は生き生きと生きていたのだろうが、中世の史料からは、支配され管理されるだけでない、民衆の姿を、垣間見ることができる。

 もちろん、たとえば近世と比べて、中世の方がリスキーで残酷な時代だったことは、事実だと思う。

鴨川達夫『武田信玄と勝頼』

 信玄・勝頼文書の検討を通して、彼らの実像を書き換えると述べている書。
 本の帯には、「文書を徹底的に読みこみ、通説を根本から洗い直す」とある。

笹本正治『戦国時代の諏訪信仰』

 東日本に広汎に広がる諏訪神社信仰がどのようなものだったのか、戦国時代を中心に考察している。

『村上義清と信濃村上氏』


 坂城町で行われた、村上氏フォーラムの記録。
 村上氏は、室町時代から戦国時代にかけて、信州北東部を支配していた武将で、武田信玄と数度にわたって戦い、うち二度勝利したといわれている。

五味文彦『源義経』

 源義経の実像を探った本。史書なので、史料から義経がどのように生きたかをあとづけている。

義江彰夫『神仏習合』

 列島の民の心の歴史を明らかにする試み。
 史実と論理によって、平安〜鎌倉期の神仏習合の実態と意味を説き明かしている。

五来重『熊野詣』

 熊野は海と山という、二つの顔を持ち、文化的にも一つのまとまりを持つ地域である。
 古代に、山人・海人のどのような生活が営まれていたかがさほどわからない反面、独特の信仰が胚胎していたことは、かなり明らかになっている。

前の10件 1  2  3  4  5  6