古代史

白石浩之『旧石器時代の社会と文化』

 旧石器時代とは、更新世(温暖化が進行する約16000年以前)における無土器文化をさすらしい。

佐藤信『古代の地方官衙と社会』

 律令国家の地方支配の拠点であった国衙・郡衙がどのように役割を果たしていたのかを論じた書。

佐々木恵介『受領と地域社会』

 平安時代の地方行政のトップに位置づけられていた受領の実態を解説した書。

 受領とは、任地へ実際に赴任した国司のトップである。

田中史生『越境の古代史』

 「倭の五王」の時代から平安時代後期にかけての東アジアにおけるネットワークについて、通史的に述べた書。

 教科書史観が切り捨てる東アジア関係史の目新しさに唖然とする。

 律令制時代のヤマト国家の対外関係における基本的姿勢を簡略にまとめた書。

 律令制時代以前からヤマト国家が中国との冊封関係に消極的だった事実は意外だったが、認識を新たにすることができた。

中村修也『平安京の暮らしと行政』

 平安京における行政の実相を記した書。

 史料的制約があるから、もちろん、平安京における暮らしをあらゆる面から詳細に描いているわけではない。

寺崎保広『藤原京の形成』

 藤原京は、ヤマト国家最初の本格的京都である。

 位置的には、奈良盆地の南に偏しているが、権力内部のヘゲモニーを握った蘇我氏の基盤に近いところから、ここが選ばれたのだろう。

 京域に大和三山を含んでおり、風光は明媚だったと思われる。

舘野和己『古代都市平城京の世界』

 ヤマト国家成立後二番目に建設された都市である平城京は、どのような町だったのか、どのような人々が住み、どのように暮らしていたのかをわかりやすく説いた本。

熊谷公男『蝦夷の地と古代国家』

 古代ヤマト国家成立期における、東北地方との関係について詳論した書。

 ずいぶん以前に、『蝦夷・アテルイの戦い』という本を読んだが、その本の一部にある荒唐無稽な言説に、ちょっと辟易した。

今村啓爾『縄文の豊かさと限界』

 列島文化の基層が形成されたと思われる、縄文時代の全体像についての概説。

 たいへん興味深いが、東西南北に地政学的条件の多様な日本列島において、一般論的な論断が不可能だという、著者の留保を念頭に入れて読む必要がある。

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