古代史

吉川真司『飛鳥の都』

 天皇の代でいう、推古から文武にかけての、飛鳥一帯に権力が存在した時代の通史。

 『ヤマト王権』同様に、文献古代史の危うさを随所に感じながら読んだ。

広瀬和雄『前方後円墳の世界』

 考古学の研究成果から前方後円墳の時代を俯瞰した本。

 前方後円墳の時代とは、3世紀半ばから7世紀初頭までの約350年間である。

吉村武彦『ヤマト王権』

 ヤマト政権の成立から推古朝までを描いた通史。

石川日出志『農耕社会の成立』

 考古学の知見によりながら、縄文時代から弥生時代への、列島における社会変容を描いた書。

斉藤利男『奥州藤原三代』

 「日本」の室町時代から戦国時代にかけて琉球王国が、事実上の独立国家だったわけだが、それに先立つ平安時代後半の平泉政権もまた、京都政権に従属する形をとりつつ、独自の支配権を持っていた。

斉藤利男『平泉』

 1990年前後における最新の発掘調査に基づいて、平泉政権とは何だったのかを論じている。

 三内丸山遺跡の発掘によって、列島の縄文時代とはどういう時代だったのかを論じた対談録。

 対談者たちは、三内丸山とは、糸魚川から陸奥湾にかけての海上交易圏における、物流センター的な存在だったと述べられている。

 考古学者・直良信夫氏の伝記。

 氏の伝記は、自伝の『学問への情熱』、第三者による『明石原人の発見』の二冊があるが、本書は家族(娘)による伝記であり、直良氏の身辺に関する記述がされていて、氏の学問がどのような人生の中から生み出されたのかをいきいきと描いている。

高橋徹『明石原人の発見』

 考古学者・直良信夫氏が存命中に書かれた氏の伝記。

堤隆『黒曜石3万年の旅』

 黒曜石製の石器に関する知見をわかりやすくまとめた書。

 旧石器時代・縄文時代の歴史に対するイメージが『旧石器時代の社会と文化』と比較しても、時代のイメージがたいへん鮮明になってくる好著だと思う。

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