2018年2月アーカイブ

粟屋憲太郎『東京裁判への道(上)』

 機密解除された(と言っても今からすればずいぶん以前だが)東京裁判に関する国際検察局の史料から、裁判の準備から裁判過程を追った書。この巻では、国際検察局の設置に至る経緯から木戸幸一と田中隆吉の証言について、詳しく紹介している。

NHK取材班『日米開戦勝算なし』

 太平洋戦争当時の物資補給ライン(生産地から日本へ 日本から戦場へ)及び軍需物資の輸送の実態について、史料と聞き書き両方から迫った調査報告。

 帝国陸海軍の将官(一部は将校)の人物に関する対談。

山口紀美子『奪われた若い命』

 BC級戦犯として処刑された学生・木村久夫の生涯を描いた本。

加古陽治『真実の「わだつみ」』

 木村久夫と彼が残した数々の短歌及び二通の遺書について考察した書。

飯田進『鎮魂への道』

 BC級戦犯裁判の意味を考察した書。著者自身もその一人として服役した方である。

小林英夫『日本軍政下のアジア』

 十五年戦争の時代、日本軍によって占領された地域において通貨として流通させられた軍票や儲備券発行がどのような役割を果たしたかについてまとめた書。

樋口陽一・小林節『憲法改正の真実』

 2012年に自由民主党が発表した憲法改正案の読み方についての、憲法学者の対談。

保阪正康『陸軍良識派の研究』

 帝国陸軍にあって理性的な言動のあった人物の評伝。

望月衣朔子『新聞記者』

 東京新聞記者による体験的新聞記者論。

編集委員会編『竹橋事件の兵士たち』

 竹橋事件の参加者掘り起こしを中心として、同事件についてまとめた論集を再読。

飯田進『地獄の日本兵』

 ニューギニア戦線の実相をまとめた書。
 太平洋戦争のターニングポイントはミッドウェー海戦だったが、補給線壊滅後の絶望的な戦いは、ガダルカナルから始まった。