2009年8月アーカイブ

滝一『破天荒釣り師』

 近藤市太郎氏というへら釣り師の伝記。

 へら釣りをしたことがないのだが、どんな釣りでも、釣りは奥が深い。
 サカナを知り、自然を知らねば、サカナを得ることは出来ない。

 ミトコンドリアDNAの解析によって人類進化の歴史をあとづけた書。

吉住友一『お山の大将三十年』

 高校山岳部顧問はどうあるべきかについて記した書。著者は三重県の高体連や山岳連盟の役員をされた方である。

森下雨村『猿猴 川に死す』

 明治〜大正〜昭和戦前期にかけての高知県での釣りを描いたエッセイ。
 杉浦清石さん以外の、現代の釣りエッセイが今ひとつと思えるのは、サカナと川しか見ていないのではないかと感じられるからだろう。

野中広務・辛淑玉『差別と日本人』

 「在日」の辛氏と著名な保守政治家である野中氏による、差別をめぐる対話。
 辛氏による、野中氏へのインタビューという感じでの対話である。

前登志夫『森の時間』

 大峰山脈の麓、奈良県吉野の山村暮らしに生起する日常を描いたエッセイ風の私小説。
 著者は歌人である。

中村元『釈尊の生涯』

 釈迦は、紀元前6〜5世紀にインドに生きた人物であるから、その生涯を歴史的に明らかにするのは、ほぼ不可能であろう。
 高校時代に読んだヘッセの『シッダールタ』をはじめ、彼の教義を評伝風に描いた作品は多いが、釈迦の実像にどれだけ迫れているかは、よくわからない。