2009年6月アーカイブ

佐野眞一『旅する巨人』

 宮本常一の自伝である『民俗学の旅』もたいへん迫力のある本だったが、宮本と渋沢敬三の評伝である本書もまた、自伝を理解する上での必読書である。

宮本常一『民俗学の旅』

 民俗学の巨人の自伝。
 学問の目的や方法について、本質的なことを明確に語っている。
 若いときにこの本に出会っていれば、勉強の仕方が変わっていただろうが、その当時、本書で語られていることを理解できたかどうかは、疑わしい。

山本紀夫『ジャガイモのきた道』

 ジャガイモの歴史に関する最新の概説。
 アンデス高地におけるジャガイモの栽培や消費について詳説しているので、興味深い。

 教育格差の実態や背景に詳しい評論家による、これまた内容濃い対談。
 森永氏は経済学から、尾木氏は教育政策の面から、新自由主義経済とその教育政策を斬っておられる。

堤未果・湯浅誠『正社員が没落する』

 日本の貧困問題と格闘する第一人者と、アメリカの貧困問題研究の第一人者との、内容濃い対話。
 現在の貧困問題が「貧困スパイラル」であるという指摘には、暗澹たる思いにさせられる。