ベンジャミン=フルフォード『暴かれた9.11』

 現代世界の不安定要因の出発点が、「同時多発テロ」だった。
 事件が発生した当時から、事件の背景に関するアメリカ政府の発表には、疑問視する声が少なくなかったが、この事件がイスラム急進派のテロだという筋書きを体系的に批判する書物も出そろい始めた。


 本書もそのような一冊である。

 事件に関する疑問は数多い。
 世界の人々に最も大きな衝撃を与えたのは、旅客機の衝突と炎上による、ツインタワー崩壊の場面だった。
 しかし、専門家は旅客機の衝突によってツインタワーがあのような形で崩壊することはあり得ず、飛行機の衝突と軌を一にした内部からの爆破がなければ建物の崩壊はなかったことを証言しており、実際、ビルに火が回る以前に下層の部屋で爆発が起きている映像が残されている。

 一方、航空機のヴォイスレコーダーなど、重要な証拠物は当局に押収されたのち、公開されないままである。

 ツインタワーに衝突したのが、本当に旅客機なのかということについても、疑問が出されている。
 衝突した飛行機を撮影した写真を見ると、その機体は黒っぽくて窓がなく、下部に何かを積載しているように見える。

 この機体がハイジャックされた旅客機でないとすれば、アメリカ政府の発表した筋書きはすべて崩壊し、ブッシュ政権が開始したアフガン戦争・イラク戦争の戦争目的が無意味化する。

 例えばイラク戦争は、多くのイラク人・アメリカ人を犠牲にし、今なお解決の道が見えない泥沼と化しており、無駄に費消された1000兆円の戦費はアメリカの財政を永遠に圧迫し続けそうな情勢だが、兵器産業や警備会社にとって、格好のビジネスチャンスを提供したのは間違いない。

 この戦争によってアメリカは揺らいでいるが、潤っている輩がいるのは事実であり、ブッシュ政権と戦争ビジネスの関係こそ、追求されてしかるべきである。

 ペンタゴンに突っ込んだとされる旅客機についても、同様の疑問が出されており、アメリカ政府による証拠隠滅によって、真相の解明は困難だとはいえ、残されたビデオや写真を見ても、疑問はさらに深まるばかりである。

 パールハーバーもトンキン湾事件も、アメリカ指導部による自作自演だった。
 アメリカは、大きな戦争を始める際に必ず、このようなフレームアップによって、自国の国民を犠牲にして世界を欺き、戦争開始の口実にする。
 それは、嘘をついて戦争を仕掛けることを重ねて国家を建設してきたアメリカの遺伝子だというほかない。

 9.11とは、ブッシュとその一味の下手な芝居だったのだということもいずれ、明らかにされるだろう。

(ISBN4-594-05228-2 C0095 \1524E 2006,9 扶桑社 2008,11,12 読了)