2007年9月アーカイブ

新潟日報社『角栄残像』

 キングメーカーとして自民党に君臨していた田中角栄氏が病気に倒れた以降、新潟県政界がどのような力関係にもとづき、どのような方向に向かっているかを分析した書。

畠山剛『むらの生活誌』

 岩手県岩泉郡有芸村肘葛地区の暮らし方が、昭和初期から現在にかけてどのように変化してきたかを、丹念な調査によって記録した書。

 山村に住まっているから、海には縁が遠いが、山村と同じか、それ以上に漁村の暮らしは(知的に)面白そうだ。

新潟日報報道部『東京都湯沢町』

 関越トンネルを抜けてしばらく走ると、湯沢町の異様な光景が見える。
 バブル経済のモニュメントともいうべき、リゾートマンション群である。

宇江敏勝『若葉は萌えて』

 サブタイトルに「山林労働者の日記」とある。
 紀州・熊野の山林労働者だった著者の労働日記。

畠山剛『学校が消えた』

 岩手県の山村において、小中学校がどのようにして作られ、どのようにして消滅しつつあるかをあとづけた書。
 学校が、子どもの権利を保障するためでなく、国家の都合により適宜存廃されてきた歴史を明らかにしている。

松下竜一『ルイズ−父に貰いし名は』

 大杉栄・伊藤野枝の四女ルイズ氏の評伝。

 20世紀初頭における無政府主義の両巨頭は、ルイズ氏の生後間もなく日本軍隊によってなんら故なく虐殺された。

宮脇昭『鎮守の森』

 『魂の森を行け』の宮脇昭氏が「鎮守の森」というキーワードについて熱く語った書。

鎌田慧『大杉栄 自由への疾走』

 国家がテロルの装置であることは、とっくの昔にレーニンが暴いて見せたとおりだ。

 レーニンや、この本の主人公である大杉栄が生きていた20世紀には、警察と軍隊が主要な暴力装置だった。
 20世紀後半になっても、基本的にその構図は変わらなかったと思われる。

宇江敏勝『山に棲むなり』

 熊野・中辺路町における、山里の暮らしが淡々と綴られている。

 偶然ではあるが、著者が住まわれているという集落に、真夏のある日に、一度訪れたことがある。