2007年1月アーカイブ

潮見三郎『竿師一代』

 和竿師松永豊治の一生を描いた伝記小説。

 渓流釣りを始めたときにはすでにカーボンロッドの時代だったから、和竿などほとんど見たことがない。

阿部善雄『最後の「日本人」』

 1983年に刊行された同名の書の文庫版。
 明治から昭和戦前期にかけて活躍した、在米の日本法制史・制度史家だった朝河貫一の史伝である。

網野善彦『東と西の語る日本の歴史』

 1982年に刊行された同名の書の文庫版である。

 歴史の記述に、「日本」ということばが特に吟味されることなく使われているが、その実態がいかなるものだったかについて、きちんと検討されていないのではないかという問題提起の書。

網野善彦『歴史としての戦後史学』

 戦後史学史に関連する網野氏の論文・発言・書評などを集めた本。

 わたしが学生として歴史を学んでいたのは、1975年から1979年にかけてだった。

網野善彦『古文書返却の旅』

 歴史学の研究素材(史料)の重要な柱が文献であることに、大きな異論はないだろう。
 わたしも学生時代に、まことにささやかながら史料調査を手伝わせていただいた経験がある。

赤坂憲雄編『追悼記録 網野善彦』

 追悼文で構成された新書を読んだのは初めてだ。
 網野氏の仕事は、それほど衝撃的だったのだと再認識した。

小田淳『カーンバック・サーモン』

 サケの生態についての研究ノートとサケ放流の1980年ごろの現状、およびサケ放流をテーマにした小説からなる本。
 サケの生態については、コンパクトにまとまっていてわかりやすい。

新潟日報報道部『ムラは語る』

 新潟県松之山町の1985年時点における現状ルポ。
 ちなみに同町は、近年の合併によって既に自治体ではなくなっている。

吉見義明『従軍慰安婦』

 従軍慰安婦設置の経過からその実態、さらに慰安婦問題の戦後処理について史料に基づき概観した本。

門倉貴史『ワーキングプア』

 日本がどのような社会に向かって進みつつあるかを鮮やかに描いた書。
 総中流社会などというのは全くの幻想だったのだが、ある意味でそれは、めざすべき理想社会だったのかもしれない。