日本列島

悪夢1

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 原子力発電所を次々に再稼働し続けた結果、「核のゴミ」が原発敷地内で保管不可能なまで溜まってしまった。
 原発を稼働し続ける限り、「核のゴミ」は発生し続ける。
 再処理後これらをどうするかはまだ決まっておらず、見通しもない。

 日本列島は四つのプレートが衝突することによってできた、いわば事故の産物である。
 この列島は永遠に、地震と火山の噴火に見舞われ続ける運命にある。

 危険極まりない高レベル核廃棄物は、人間が居住する都市部から離れたところで処分するしかない。

 放射性廃棄物に関する有識者会議が最終処分場として選定したのは、福島県と群馬県の境にある尾瀬ヶ原と、青森県・秋田県境の白神山地、岐阜・長野・富山の各県境に位置する飛騨山脈の三ヶ所だった。

 これらは類まれな自然環境が保全されており、日本列島を代表的する景観を有する地域であり、一部委員から異議が出されたが、有識者会議全体としては、エネルギーの安定的な供給はグローバル時代を勝ち抜く経済の根幹であり、国益のために景観が一部犠牲になるのはやむを得ないという認識で一致した。

 これに対し、それぞれの地元地域は強く反発しており、今後予定されているボーリング調査が円滑に実施できるかどうかは、予断を許されない状況である。

 地元は、「ここは昔から自分たちの先祖が暮らしのために行き来し、守ってきた土地であり、国家が蹂躙することは許さない」と言っており、これら地域の自然は国民共有の財産であるという自然保護関係者も多い。
 しかし官房長官は、「エネルギー政策は国策の根幹であるから、作業は粛々と進める」と述べ、地元知事・市長との面会も拒否し続けている。

森聞き

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金鑚神社の大クス


 朝、集落による国道の道普請。

 このあたりでは、国道の除草や清掃は、役場の指示により、最寄集落が行っている。
 人口の多い市街地では予算措置がされて、業者さんが道路清掃を行っているのだが、人のあまり住んでいないところに予算はつけられないから、自弁でやりなさいということのようだ。

 たしかに、人が少ないから、なかなかはかどらず、炎天下、2時間ほどの仕事になる。
 草むしりしている高齢の地元民のわきを、爆音を響かせて、バイクが何台も通りすぎていく。

 お昼に小麦の脱穀。
 コンバインなどないから、kurooさんの山里の記憶に出てくるものを、使っている。

 午後、急いで、映画を見に行った。
 本庄市の小さなシアターにかかっていた、この作品
 「山里の記憶」を高校生が聞くという感じと思えばよいと思う。

 じつは、この聞き書きに毎年、身近な若者たちが参加している。
 今年も、ごく親しい高校2年生が、夏休みに出かけることになっている。

 今どきの高校生にとって、「種を残すために焼畑をする」とか「林業者は自由人だ」などの哲学的な言葉はもちろん、理解できないだろう。
 彼ら・彼女らは、取材を通じて何を得たとも、学んだとも、明確な言葉では語っていなかった。
 おそらく、ただただ、圧倒されていたのだろう。
 労働のリアルな現実に。

 働くとはどういうことなのか、何年かたって、思い出すのかもしれない。

 シアターに歩く途中、金鑚神社の大クスに目を惹かれた。
 上映まで時間が少々あったおかげで、いいものを見ることができてよかった。

 帰宅前に、畑に寄って、農作業。
 ラッキョウ掘り。
 キュウリやミニトマトの追肥。

縄文人と現代人

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 ハードな日々がようやく週末となった。
 大根と人参、タマネギ跡地の草をむしって、耕耘。
 雨が降り出す前に、赤大豆の種まきを終えた。

 ジャガイモの収穫を始めた。
 まずは、インカのめざめ少々。
 出来は、まずまずだ。

 茹でてみると、鮮烈な味だ。
 今夜はカレーライスだが、肉とルー以外は、全て自家製。

 Movable Type をバージョン5.1に更新した。
 再構築したら、ページデザインが全て、デフォルトに戻る。

 生活記・読書ノート・山の花讃歌のスタイルシートをそれぞれ手直し。
 あちこちに不具合があったのだが、どうにか三つとも、ある程度は見ることができるようになった。
 これ以上、ページデザインに労力を費やすのはもう嫌だ。

 各紙に、津波による被災住宅の移転候補地に縄文時代遺跡が多く、開発手続きに難題となっているという記事が出ている。

 現代人には失礼ながら、それは、縄文人には、津波のこない安全なところに居住する知恵があったということを物語る事実である。
 上の記事は、「「速やかな復興と文化財保護の両立は果たせるのか」と関係者は頭を悩ませている」と書いている。
 あたかも、かつて縄文人たちがそこに暮らしていたことが復興の障害になっているかのごとき、不遜なものの言いようだ。
 この列島を大切に使って次代にバトンタッチしてきた縄文人の皆さんにしてみれば、さぞかし不快だろう。

 ちなみに、ここ秩父地方もまた、縄文時代遺跡の多いところである。
 ずいぶん以前に縄文遺跡をダムに沈める愚について書いた。
 人はやはり、退化の一途をたどっているのだろうか。

富士嶽山山行記

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弥勒仏塔

滑って歩きづらい

槍ヶ岳

独鈷山

 冬型なので、天気はよいのだが、寒気が強いと、ちぎれた雪雲から風花が飛んで来ることもある。
 そういう時にはだいたい、西のほうほど降雪量が多い。

 こういう降雪は風花という。
 風花が舞うのは、脊梁山脈より太平洋側だから、おそらく日本海側で、この言葉は使われないのではないかと思う。
 書いてあったのは『この国のすがたと歴史』だったと思ったが、英語圏では蝶のことを概ね「butterfly」としか呼ばないらしい。
 日本列島の住民なら、「蝶が飛ぶ」というより、「アゲハが飛ぶ」とか「オオムラサキが飛ぶ」と言うだろう。

 認識を表象化したものがコトバである。
 コトバが貧困だということは、認識が貧困だということである。
 認識が貧困だというのは、人間が低レベルだということではない。
 複雑な認識を必要としないほど、現実が複雑でないということなのである。

 この列島は、極めて複雑で、多様な生物相をもっている。
 それが日本列島なのである。
 そのことが理解できないのでは、日本列島について何もわかっていないと同じだ。

 「風花」と「雪」を、欧米人なら「snow」としか表現できないだろう。
 欧米人が自然に関し、日本列島の民より無知なのは、理由のあることである。
 この列島で暮らすには、その土地その土地の土壌・気温・日照・風向きと風の質などに最も適したやり方を、数千年にわたって試行錯誤してこなければならなかった。

 秩父という山間の一地方であっても、自宅周辺と車で10分ほどのところにある畑とでは、種まき時期を数日、ずらさなければ失敗する。
 東西に伸びる谷なら、日照時間が確保できるが、南北に長い谷では日照時間が極端に少なくなる。
 東西方向の谷であれば、ナスを作ることもできるが、南北に長い谷ではナスを作ってもうまくいかないから、インゲンを作ったほうがよい。
 この列島に、どこでも同じように通用するマニュアルなど、存在しない。

 単純な生物相・単調な環境のもとでなら、手をかけず、機械や薬剤の力に頼って農作物を作ることができるのだろう。
 手をかけないことが、どうして「強い農業」であるのか。
 ただ単に、安上がりなだけじゃないというなら、説明してほしい。

 環太平洋パートナーシップ協定に参加するというのは、職人仕事に近い列島の農業をバカでもやれる欧米並みの農業にレベルダウンさせようという話である。
 どうして、数千年かけて築いてきた知識をかなぐり捨てて、バカにならねばならないのか、理解できない。

 富士嶽山山行記を追加。

日本列島

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 今朝で、今月の氷点下6度以下が11度目。今月も残り数日だが、このあとも何度か、-6度以下の朝があるだろう。
 2006年の7回、2005年の8回を大きく上回っており、記録的に寒い冬である。
 原因はラニーニャだというが、ラニーニャの正体がよくわかっていないので、厳冬のメカニズムは結局、よくわからないのである。

 為政者は、無関税化という考えなしの方向に、国を持って行こうとしている。
 できれば鎖国がよいのだが、おおかたの賛同を得るのは難しかろうから、せめて現状の手直しで、食と農を維持したいものだ。
 国会を解散したほうがよいのはもちろんだが、問題は、どうすれば無関税化を阻止できるかである。

 比例代表は別とすれば、少数政党への投票は死票になるだけで、無駄となる。
 今の為政者を黙らせるためには、みんなで自民党に投票するしか、ないように思う。

 究極の目標は、列島の保全である。
 列島の自然環境を条件づけているのは、温暖な海流と季節風と、太平洋・フィリピン海の二つのプレートの移動である。
 すべては、ここから議論しなければならない。

 日本海流とその分流たる対馬海流は、大量の水蒸気を列島にもたらす。
 日本列島は、これら暖流のおかげで水蒸気列島となっている。
 暖流が持ってきた水蒸気を雨や雪という形で陸地に運んでくれるのは、冬と夏の季節風である。

 かなりの高緯度に位置し、峻険な地形にもかかわらず、コメを生産できるのは、これらの自然条件に恵まれているからであり、列島の民の知恵と勤勉の賜物なのである。
 滝やゴルジュの連続する渓流もまた、これらの自然条件の恵みである。

 沖積平野が狭小で、国土の大部分を山岳地帯が占めているのは、今なお激しく移動することによって、急速な造山活動を続けてやまない、二つのプレートの所産である。
 地質学的スパンで見るならば、列島は、さらに隆起を続け、沖積平野が大きく拡大することは、想定しがたい。

 列島の民の知恵と技は、こういった自然条件に最も適合する暮らし方とは何かを、集大成したものである。
 都会民の浅知恵によって、列島を、取り返しのつかない状態にしてはならない。
 「一票の格差」を「是正」してはならない。

再びイラク戦争

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 イラク戦争は、いよいよめちゃくちゃな様相を呈してきたように思います。

 この戦争、ほんの一ヶ月前までは、イラクが隠している大量破壊兵器を放棄させるという大義名分が叫ばれていたはず。
 それが早くも、「イラクの自由」のためと変わってしまいました。

 アメリカは、戦争開始一週間にして、早くも、れっきとした核兵器である劣化ウラン弾や、子どもを標的にした「悪魔の兵器」と呼ばれるクラスター爆弾を使用したことを認めています。
 また、イラクが保有を認められていない長距離巡航ミサイルを使って、バグダッドを自在に爆撃しています。

 イラクが生物・化学兵器や核兵器をひそかに開発するのは許されません。だからといって、アメリカならどんな残忍な兵器を開発・保有し、使用しても許されるのでしょうか。
 そんなバカな話はないでしょう。

 戦況に関する報道は、イラク・アメリカ双方のバイオスがかかっている(特に日本国内の報道はアメリカの代弁ばかり)ので、正確なことはよくわかりません。
 しかしどう見ても、アメリカ側のプレス発表には、ウソや捏造がたくさん含まれていると感じます。

 イラクのテレビ周波数を乗っ取ったり、工作員を使った分裂工作も、始めています。CIAの暗殺チームを送り込んで、政府要人の殺害などもおこなっているとのこと。
 国家主権も何もあったものではありません。
 わたしはイラクの味方をするつもりはありませんが、アメリカのやり方は汚いし、傲慢だし、決して許されないと思います。
 アメリカはどうして、こんな国になってしまったのでしょう。

 戦争の行方もまだ定かではありませんが、アメリカは、国連中心の復興支援ではなく、アメリカ中心のイラク再建をめざしているらしい。
 インフラ再建の原資は、最終的には原油代金で決済させるという話も。
 いよいよ、ブッシュのオイルコネクションのシッポが見え隠れしはじめました。

 そしてわが日本はというと、指導者たちは、「戦争はどんな形であれ、残酷だと思います」とか「戦争ですから、そんなに早くはかたはつかない」とか、アメリカ高官の発言をそのままオウム返しにしゃべっているだけ。
 何も考えずにアメリカにもたれかかることしか、できないのが現状のようです。

平和ボケ

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 日本政府は、いわゆる新たな国連決議のないままでのイラク攻撃を支持する腹を決めた模様です。
 新たな国連決議なしの武力行使は、国連を中心として平和を維持しようとする国際秩序の破壊です。そのような軍事行動は、国連憲章違反であると、アナン事務総長も述べています(3/10)。
 日本は、アメリカが国連のこれまでの決議1441等に基づいて戦争するのだと説明すれば、十分な大義になると考えているようです。つまり、アメリカがそう説明すれば日本は納得する、ということです。それでは、アメリカのいうことは、何でも正しいと言ってるのと同じです。
 これが、日本の外交の正体だったのですね。
 今後、北朝鮮をめぐって、緊張が高まることが予想されます。そうなったときにも、日本は、アメリカのご託宣通りに行動しようとするのでしょうか。
 思えば、戦後長きにわたって、日本は、アメリカの核の傘に入ってれば一番安全なんだと主張して、みずから平和を作り出そうとする努力を、ずっと怠ってきました。これを平和ボケと言わずして、なんと言うべきでしょうか。
 平和は、必死の外交努力によって維持されるものなのです。城山三郎『落日燃ゆ』は、すぐれた洞察力と交渉能力を備えた外相・首相広田弘毅が、軍部の圧力によって戦争の泥沼に引き込まれていくさまを描いています。
 日本の国土と国民を守るためにも、平和を維持するためにねばり強く交渉することが、今、求められていると思うのですが。

イラク戦争

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 本日、秩父地方は、春の大雪。
 夜明け頃には15センチほどの積雪。
 さらにお昼前まで、降り続きました。
 『日蔭の村』読了。

 イラク情勢はますますのっぴきならなくなりそうです。

 日本政府は、「北朝鮮問題でアメリカの世話になるから、アメリカのイラク攻撃を支持するのだ」と考えているようです。
 もし本当なら、信じがたい話。

 まず第一に、イラクと北朝鮮とは別の問題。
 イラクが日本に、どういう攻撃を仕掛けてきましたか?
 なにもしていないではありませんか。

 ブッシュは、フセイン政権を打倒し、イラクを民主化するのが戦争の目的とも言っています。
 しかし、そんな話は、国連憲章をひくまでもなく、戦争の正当な目的にはなり得ません。

 そんな理由で、日本がイラク攻撃を支持し、「後方支援」に出るならば、日本は単なるアメリカの腰巾着だと、世界に示すことになるでしょう。

 いや、そんなことを言っても、ここでアメリカのご機嫌とりをしておかないと、北朝鮮が攻めてきたときに困るだろう、という「現実」論もあるかと思います。
 その根拠として、「日米安保条約に基づく米軍の反撃が、北朝鮮に対する最大の抑止力となっているのが現状」などという論評があります。

 しかしわたしは、むしろその逆で、国連による平和への取り組みを傲然と踏みにじろうとしてするブッシュ(北朝鮮も同様ですが)に指揮された在日米軍の存在が、北朝鮮にとって、核開発の最大の動機にならないはずはないと思っています。

 イラクよりも、北朝鮮の脅威の方が、日本にとってはるかに深刻です。
 北朝鮮は、戦前の日本と同様に、国民をマインドコントロール下においた独裁国家であり、報道に見る限り、指導者たちに、ねばり強い外交能力などはほとんど感じられません。

 わたしは、彼らがパールハーバーをやらかさないという確信を持つことができません。
 であるが故に、反撃能力は、傷を広げるだけなのです。
 北朝鮮のミサイルを発射直後にすべて迎撃し、彼らの攻撃能力を完全に無力化するなど絶対に不可能。
 戦えば戦うほど、勝ち負けに関わらず、犠牲は増えます。
 それを避けるには、先制攻撃しかない。
 となれば、ブッシュの予防戦争論に乗って踊るしかなくなります。

 たとえば、仮に九州が北朝鮮によって占領されたら、アメリカは、劣化ウラン弾でも何でも使うでしょう。
 そこに日本人がどれだけいようが。
 われわれは、湾岸戦争で、またアフガニスタンで、アメリカのそういう戦争を、いやというほど見てきたはずです。

 リアルな状況認識に基づき、犠牲をもっとも少なくするための、柔軟でねばり強い自主的な外交努力以外に、東アジアが突入しようとしている危機を回避するすべはありません。
 これ以上、ブッシュのアメリカについていくべきではありません。

棚田

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棚田 天理市の東、山ノ辺の道近くの低山を歩いてきました。
 天理は、相変わらず、天理教のパワーがすごくて、圧倒されました。
 ちょっと感動したのは、天理市街からやや奥に入った谷の棚田です。
 最近の田んぼは、耕地整理のため、へりが直線のところが、ほとんどですね。
 しかし、直線より曲線の方が、わたしなんかの目にはやさしく映るのです。
 地形をうまく利用し、天水を使って作られた棚田は、日本人の暮らしの工夫の粋をこらした、すばらしい文化だと思いました。

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