原発

 原子力の安全に関する国の審議会などの委員について、原子力安全・保安院は、合わせて24人が電力会社から報酬を受けるなどしていたものの、審議に影響はなかったとする調査結果を発表したものの、委員の名前や金額、会社名などは明らかにせずという記事がまた出た。
 「原子力の安全に関する国の審議会の委員については、中立性を確保するため、原子力安全・保安院が、委員を選ぶ前に電力会社などの利害関係者から報酬を受けて研究をしていないかなど自己申告する」ことになっているにもかかわらず、「電力会社や原子力関係のメーカーなどの依頼で、講演したり、研究活動をしたりした人は合わせて24人で、このうち12人は実際に報酬や謝礼を受け取って」いた。
 この人々はは、原発メーカーや電力会社の共犯者である。
 彼らが関わった審議会のレポートなど、信用するバカはいないし、国の審議会なんだから当然、何らかの報酬を食んでいるはずだが、それらの金額については、全部返してほしい。
 この連中の総元締めである原子力安全・保安院が、「発表したのは人数だけで、委員の名前や金額、会社名などは「個人情報に当たる」として明らかにし」ないのは当然で、寄ってたかって、カネをやったり取ったりしてきた原子力村の暗部を、これ以上晒したくないのだろう。
 「いくらカネをもらってもわたしゃ、公正な意見を述べることができます」と平然と言ってのける神経がそもそも、マトモではない。

 東京電力福島第一原発事故後の原子力政策の基本方針(原子力政策大綱)を決めるため内閣府原子力委員会に設けられている会議の専門委員23人のうち、原子力が専門の大学教授3人全員が、2010年度までの5年間に原発関連の企業・団体から計1839万円の寄付を受けていたなどということが、どうして、今になってわかるのか、理解に苦しむ。

 この人たちは、カネをもらっても「会議での発言は寄付に左右されない」などと言っているが、人から金をもらっておいて、カネをくれた相手に対し、「お前がやってることはとても危ない」などと、言えるわけがないだろう。

 内閣府原子力委員会が言うことなど、信用するバカはいない。

寄生虫の国

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 昨年末に建設再開が決まった八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)で、関連の工事や調査を受注した167法人のうち46法人に、国土交通省からの天下りが104人いたという報道が、今になって出てきた。

 コバンザメと言うか、寄生虫がウヨウヨしているのである。
 前回総選挙直後の2009年8月に、「民主党が公約を守る限り、八ツ場ダムと川辺川ダムは建設中止となる。新政権に過度の期待はしていないが、この約束は守ってほしい。」と書いたのだが、公約はみごとに反古にされ、寄生虫が正体をあらわしたというわけだ。

儲かる原発

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 備忘のために、原発は儲かるということを証明する記事をいくつか、ピックアップしておく。

 まずは、1月1日付の『朝日新聞』。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。(中略)うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。

 こういうことがなんで、今になってわかるのか、それが不思議である。

 次に、1月2日付の『読売新聞』。

 九州電力玄海原子力発電所が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長が2011年10月までの5年2か月間の在任中に、少なくとも10件約40万円の交際費を経済産業省職員らに対する「官官接待」に使っていたことが読売新聞の調べでわかった。

 玄海町長が主要株主である「岸本組」が、ほぼ上記の期間に、原発関連工事を17億円分受注し、町長自身も、配当金などの形で1000万円を得ていたことは、すでに書いた

 今回の事故によって、壊滅的な打撃を被った原発立地自治体の首長には、お見舞い申し上げるほかないが、地元が必死になって誘致しなければ、原発は来ないのである。

 中電上関原発が計画されている山口県上関町では、推進派によって、「原発に反対する人は上関町から出て行け」という大看板が立てられている。

 福島第一原発の地元も、莫大な原発マネーによって潤った。
 カネの一部は、地元政治屋に渡ったかもしれないが、何らかの形で、町民もまた、原発の恩恵を受けていたのである。

 これ、買うかも。

 あまり大きくとりあげられてないが、東京新聞に、福島第1原発2号機で、原子炉格納容器下部の圧力抑制プールが地震の揺れで早期に損傷したか、劣化した可能性が高いとする解析結果を19日までに、原子力安全の専門家がまとめたという記事が出ている。

 これが事実だとすると、東京電力のいう「想定外の津波によって事故が起きた」という説明は、全く成り立たなくなる。
 それどころか、現在行われているという「ストレステスト」の有効性自体が、根本的に疑われることになる。

ブログ監視中

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 以前の記事でも触れた、資源エネルギー庁が公費を使って、原発に批判的なブログを監視している問題の続報が、東京新聞に出ている。

 2010年度まで、この予算を使って、新聞や週刊誌が監視対象にされていた。
 今回わかったのは、監視活動によって収集された、原発に批判的だとチェックを受けた記事のリストである。

 レポートでは、には、地球温暖化対策として原発推進に言及した環境相に苦言を呈した二〇〇九年九月三十日の南日本新聞の社説に対しては「このような幼稚な社説を掲載する論説委員の質が問われる」と指摘とか、原発反対を訴え徒歩で旅をする男性を取り上げた同年四月十四日の佐賀新聞の記事には「目立ちたがりの行動をなぜ写真入り、三段抜きで報道するのか。勝手な反対派を勇気づけるだけで、社会の大多数のための政策の推進を阻害する」などと報告されているという。

 さて、資源エネルギー庁は今年度から、ブログ・ツイッターなどを監視しているらしい。
 けっこう大変な作業だと思うのだが、当ブログなんかも、ブラックリストに入れてもらっているのだろうか。

 埼玉県内において、福島第1原発の事故によって飛散した放射性物質が比較的高い地域が、文科省発表によるこのマップに出ている。

 これによれば、熊谷市や寄居町など、飛び地状に線量の高い地域もあるが、県の西部に位置する秩父市・小鹿野町・皆野町・神川町などの一帯と、三郷市や吉川町など、千葉県境に近い東部一帯とが、いわばホットエリアであることがわかる。

 国は、これらホットエリアを「汚染状況重点調査地域」に指定し、放射性物質の除染に国が財政支援を行う意向なのだが、小鹿野町・秩父市・横瀬町は、指定を辞退するらしい。
 カネがあるから、自力で除染しますという話かというと、そうではない。

 読売新聞によれば、小鹿野町の当局者は、「一番怖いのは風評被害。町名だけが独り歩きしてしまう」と述べている。

 これらの町にとって、高い線量が出ちゃったら農作物が売れなくなるから、いっそ線量など測らない方がいいということなのだろうか。

 これらの町ではまた、「文科省の航空機調査が除染対象の数値を測定した場所は主に山間地だ」とも述べている。
 上のセシウムマップを見れば、必ずしもそうではないことがわかる。
 それにしても、あたかも、山間地は人口密度が低いから除染しなくてもいいかのような物言いには、呆れたものだ。

 二日続けて季節風が吹いて、気温が下がった。
 例年だとそろそろ落ち葉かきの季節になるのだが、今年は堆肥作りをしない予定。

 例えば、産経ニュースには、文京区は6日、区立根津小学校の落ち葉でつくった堆肥から、国の暫定基準値(1キログラム当たり400ベクレル)を超える1488ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表したという記事があり、文京区あたりで作られた落ち葉堆肥から、かなりの高線量が出ている事実がある。

 杉林のセシウムの蓄積量のうち約50ないし90%が落ち葉の層に集中。広葉樹林では90%強が落ち葉だったという読売新聞の記事もある。

 関東地方の周縁部(つまり当地など)は3月11日ののち、風向きの関係で、放射性物質が比較的多く降下していたらしい。
 つまらない風評を立てられても困るので言っておくが、福島第一原発事故の際に放出された放射性物質は、東北・関東にとどまらず、日本列島の隅々にまで拡散している。
 たとえば西日本でも、中国山地や四国山地、滋賀・岐阜県境や京都市北山一帯など、高線量が予測される地域は、いたるところに分布している。(アメリカ宇宙研究大学連合(USRA)によるシミュレーション結果はこちら)

 放射性物質は、この列島を覆う森林土壌に蓄積されている。

 落葉樹であれば、今年の落ち葉は、事故のあと開葉したものなので、放射性物質に汚染されていないはずなのだが、去年の落ち葉はダメなのである。
 今年の落ち葉と去年の落ち葉を厳密に分別することができないので、簡易線量計があれば、いちいち測定することもできそうだが、今のところ所有していないので、とりあえず、今年は見送りなのである。

決定のプロセス

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 10月4日に、トラブルのため自動停止していた佐賀県玄海原発が、早々に再稼働した。

 再稼働に至る経緯が、朝日コムにまとめられている。
 この記事を要約すると、以下のように、奇妙なことになる。

古川康・佐賀県知事や岸本英雄・玄海町長がこの日、再開容認の姿勢を示したことから「地元の理解も得られた」と判断して、九州電力運転を再開した。

 だとすると、佐賀県知事と玄海町長が再開を容認したから、原発が動き始めたということである。ところが、

岸本町長は「4号機については国から安全性の確認を得た」と明言。古川知事も「規制の責任を負う国が判断されたのであれば、これまでと同じように受け入れる」と述べた

とも書いてある。となると、知事と町長は国がタイコ判を押してるから受け入れるんだ、と言ってることになる。じゃ、国はどう言ってるかといえば、

枝野幸男経済産業相は、「地元と協議した上で事業者(電力会社)が決めること」と述べていた。

わけだから、地元自治体と九州電力が勝手に決めればよいと言っており、別に安全だなどというお墨付きなど、出したとは言ってない。

 つまり、三者が三者とも、「自分が判断したことでなく、決定の責任は自分にはありません」と述べているのである。
 そうすると、再稼働に伴って、もし問題が発生したら、どうなるだろうか。

 九州電力は、「地元の理解が得られたから再稼働したのだ」という論理だし、地元自治体は「国が安全と言ったから受け入れたんだ」といい、国は、「九電と地元が決めたことだ」と言うだろう。

 モノゴト決定のプロセスが、とてもいい加減なのである。
 そのいい加減さは、政治の世界だけでなく、社会のあらゆる場面に一貫している。

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