連日、2から3時間の超過勤務が続く。
2日も休みをとったのだから、しわよせが来るのはやむを得ない。
今日のニュースにもあったのだが、このところ、「一票の格差」が「違憲」だという裁判所の判断が続いていることに、不満である。
国民の代表という理念はともかく、現実の国会議員は、地域利害の代表として機能している。
人口の集中する都市部に多くの議席が配分されれば、この国は、都市民の利害のみによって動くようになるのは必定である。
例えば中央防災会議は、一昨年、荒川の「200年に1度の発生確率の洪水」氾濫に伴う地下鉄への浸水被害予想を出した。この話は当時、マスコミでも大々的に報道され、「何とかしなければ大変なことになる」という不安を煽ったものだ。
被害予想の出た中でも、東京メトロ半蔵門線や南北線、都営地下鉄新宿線や大江戸線、つくばエクスプレスや埼玉高速鉄道などは、近年になって建設された路線である。
水浸しになるかもしれない位置に地下鉄を作るなど、なんと間抜けな話だろう。
地下鉄を通した位置が悪いのであれば、すべて埋め戻して、より安全なところに作りなおせばよいし、経費は間抜けな設計をした役人が負担すればよい。
この話の裏には、「だから荒川の治水が必要なのだ」という結論に持って行こうという、国土交通相の意図が見え見えだ。
「荒川の治水」とは、すなわち源流域におけるダム建設である。
都会民は、「地下鉄が危ない」ということしか考えない。
都会で暮らしているのだから、考えが狭いのも、無理はない。
建設官僚とゼネコンは、このようにして都会民をやすやすと瞞着し、源流域をダムだらけにする。
秩父源流域の「治水計画」は国土交通省のサイトからいつの間にか削除されてしまったが、ダム計画が消滅したという話は聞いていない。
かつてサイト上で公開されていた計画によれば、二瀬・浦山・合角・滝沢の4ダムが完成しても、荒川は、「計画の1/200に対し、1/30程度とまだまだ安全度の低い河川」だという。
「1/200」というのは、上記の話でいう「200年に1度の発生確率の洪水」のことである。(この話についてはかつて書きかけたがそのままになっている)
だが、ダムによって現在の6倍もの貯水量を確保しようとすれば、新ダムどころか、秩父をすべて水没させなければならない。
国土交通省の言う「200年に1度」云々とは、これほどにリアリティのない空理空論なのである。
国会の議席が都会民の代表によって占められるようなことになれば、列島がめちゃくちゃにされる。
国家など愛していないが、列島には深い愛着を持っている。
「一票の格差」を「是正」するような愚挙はすべきでない。
もしそうなったら、田舎と都会を別の国にしてもらいたい。
そして都会民には、都会の空気だけを呼吸し、都会の水だけ飲むようにしてもらいたい。ゴミももちろん、都会ですべて処理してもらうのがよい。
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