27年前の春に、アラレ混じりのひどい暴風に吹かれて、お昼過ぎに鉄山避難小屋に飛び込んだ。
そんな風は体験したことがなかった。
その後、冬の土湯峠あたりに何度か訪れて、安達太良の風がどんなものか、理解できた。
当時の鉄山小屋は、小屋ごと飛んじゃうんじゃないかと心配になるほど小さな小屋で、鉄板貼りの壁のすき間からさえ、けっこうな風が吹き込んで、その夜はかなり寒い夜を過ごし、翌朝、不用意に枕元においたペットボトルが凍っており、あせったものだった。
今回、鉄山に行ったのは、避難小屋を再訪したいという気持ちがあったからだが、身体がフワッと浮くほどの強風を味わいながら到着した鉄山避難小屋は、建て替えられてたいへん立派な小屋になっていた。
あまりの変わりように呆然としつつ、稜線とは別世界の静かな室内で、ささやかなティータイムを過ごさせていただいた。
安達太良連峰、センチメンタルジャーニィ・・・。
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