大シオジ
飯能市で行われた、武州一揆150周年の集まりに参加してきた。
前半は、三代目若松若太夫さんによる説教節で、宗五郎子別れの場面だった。
説経節は、三味線を弾きながら物語を演じる。
今日はスライドでしか見ることができなかったが、本来は、操り人形によって臨場感を出すようだ。
このような話芸に通じていないので、善し悪しはわからないが、日ごろ歌舞伎や浄瑠璃に親しんでいた人々にとっては、感動極まりない一幕だったと想像される。
後半は、森安彦氏の武州一揆についての講演。
研究者でおられるのに、高校生くらいであれば十分理解できそうなほど、わかりやすくかみ砕いて、武州一揆の概要を話された。
江戸時代を通して数多く闘われた百姓一揆と異なり、武州一揆が、漠然たる社会変革願望である「世直し」を標榜していたこと、経済的格差の「平均」を実力で実現しようとしたものだったことなど、大いに共感できた。
一方、一揆の社会・経済的背景については、相変わらず1970年代後半に言われていた豪農-半プロレタリア論で説明されていた。
この説は、20歳前後の時に熱心に勉強したものだったが、現在では、いささか懐疑的である。
餓死に追い込まれようほどの半プロ層の困窮が、爆発的な実力闘争のエネルギーに転化したかのような論理は、あまりに単純すぎないか。
武州一揆そのものについても、40年前と比べて、研究が深化しているとはいえないようだ。
じっくり勉強する時間がほしい。
写真がないのも寂しいので、三峯神社表参道の大シオジ。
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