ブナとネズコの尾根
- 栂峰往復 -

【年月日】

2020年8月10日
【同行者】 単独
【タイム】

小屋川登山口(7:43)−栂峰(10:40-11:07)−小屋川登山口(13:03)

【地形図】 入田沢 飯森山 ルート地図(マウスホイールまたは左下のズームで拡大・縮小)

 小屋集落から先、舗装が切れると、林道は狭い悪路となる。
 嫌になるほどでもないので、そろそろ進む。

 現在地を確認するため、広いところで停車すると、晴れているのに夕立のようにパラパラという音。
 なにかと思えば、無数のメジロアブと数匹のウシアブが、自動車めがけて殺到しているのだった。
 少し開けていた車の窓から、20匹ほどのメジロが入ってしまったので、そいつらは叩いて殺した。

ネズコ(大きな写真)
ネズコ(大きな写真)

 駐車スペースに着いてもメジロがわんわん言っていたので、ひどく暑いが、車内で着替えを済ませて登山靴を履き、虫除けスプレーをかけたメッシュジャケットを着て、虫よけネット帽子をかぶって外へ出た。
 フル装備に恐れをなしたのか、メジロどもは静かになって、おおむねどこかへ行ってしまった。

 ぼやぼやしていると再びメジロが集まってきそうなので、苔むした石祠に拝礼だけして、さっさと登山道にとりついた。

 かなり育ったスギ林だが、手入れは全くされていないので、熊剥ぎがひどい。
 少し登ると雑木も出てき、チチタケなんかも出ていたのだが、とりあえずメジロの群れから脱出することが最優先だったので、余計なことはしないで登った。

吾妻連峰(大きな写真)
アサギマダラ(大きな写真)

 めちゃくちゃ暑いので、左山のトラバースが終わったあたりで防虫装備を外して身軽になった。
 ブヨがまとわりついていたが、ここまで来ればメジロどもはいなくなっていた。
 当然ながら、暑いことに変わりはなかった。

 1102メートルの尾根に登りつけば、杉ではなく、ブナとネズコの道になる。
 ブナは巨木というほどではなかったが、ネズコはなかなか迫力のある大木が多かった。
 キタゴヨウの大木もいくらか見られた。

 花はほとんどなし。
 カニコウモリとオクモミジハグマがいくらか咲いており、アサギマダラが一頭、舞っていた。

 次の標高差300メートルほどの登りが正念場だが、一本登りでなく、らくになるところもあるので、さほど苦しくない。
 頂稜にたどり着けば、神様の名前を書いた板がところどころの木に立てかけてあった。
 林相はここからオオシラビソ林。

オクモミジハグマ(大きな写真)
チチタケ(大きな写真)

 足元は、水苔や水芭蕉が生えているが、湿原といえるほど広いところはない。
 おおむね平坦な尾根をしばらく行くと、神武天皇と墨書した木札があって、山頂に着いた。
 展望なし。

 山頂から東へ少し行ったところに展望地があったので、そこで大休止。
 水分が多いと見えてかなり靄がかかっており、吾妻連峰や栗子山の山塊、磐梯山などしか判別できなかった。

 帰りは来た道を戻った。