ブナの海
- 船形山周回-

【年月日】

2020年7月17日
【同行者】 単独
【タイム】

大滝キャンプ場登山口(10:18)−船形山(12:00-12:31)−升沢小屋(13:35)
−三光の宮(14:13)−大滝キャンプ場登山口(14:48)

【地形図】 升沢 船形山 ルート地図(マウスホイールまたは左下のズームで拡大・縮小)

 前夜8時過ぎに自宅を出たので余裕で登山口に着けるかと思いきや、登山口に至る林道が通行止めになっていた。
 そもそも、大滝登山口に行くには大和インターで降りるべきなのに、ナビは古川インターを指示してきた。
 色麻町からの林道は、以前から通行止めだったらしい。

 ナビを改めて「旗坂野営場」にセットしてみると、旗坂登山口まで40キロ以上あり、1時間半はかかることがわかった。
 旗坂キャンプ場から大滝登山口まで小1時間かかるとして、いきなり約2時間のロスタイムとなった。

ブナ林(大きな写真)
ショウキラン(大きな写真)

 えんえん走って旗坂キャンプ場手前、船形山神社の看板を右折して、小荒沢林道に入る。
 少し行ったところで営林署の人に呼び止められ、路面が悪いことを知らされた。

 小荒沢林道は、道幅は広いが路面の凸凹が激しく、時速10キロ程度しか出せず、心の準備がなかったら、途中で嫌になりそうな道だった。
 大滝登山口に着いたのは結局、10時過ぎだった。
 あまりよい時間ではないが、ショートコースなのでどうにかなると考えて支度をした。

 小荒沢林道からブナ林で、まことに風情がよかったが、船形山への登山道も同様に、ブナの原生林だった。
 足元に花は少ないが、ショウキランがいくつか咲いていた。
 これを見て、そう言えば早くも梅雨の末期なんだなあと気がついた。

 ずっと平坦な道だが、鏡池・小野田コース分岐を過ぎると急登になる。
 地形図では一本調子の登りだが、ときどき穏やかなところもある。
 雨降りが続いていたせいか、かなり上部まで、登山道に水が流れていた。

 ほどなく灌木帯となり、周囲が明るくなる。
 振り返れば、雲海に浮かぶブナの森が見えた。

 登りつめれば尾花沢コースの分岐。
 ここから尾根上を少しで船形山の山頂だった。

荒神山(手前)と鳥海山(大きな写真)
月山(大きな写真)

 雲は多いが、まずまずよく見えたから、快晴ならすごい展望が得られるだろう。
 近いところでは泉ヶ岳への稜線や黒伏山、遠くは月山や鳥海山が望まれた。
 ここまでほとんど広葉樹の森だったから、紅葉もすごいのではないかと思われる。
 足元にはミネウスユキソウがとても多い。

 やや強い風が吹いていたので、山頂小屋に入って大休止。
 ここはとてもきれいな小屋だった。

黒伏山(大きな写真)
ミネウスユキソウ(大きな写真)

 下山は升沢小屋経由とした。
 好展望で気持ちのよい尾根をしばらく行って千畳敷。
 ここを左。

 灌木帯から傾斜の急な小沢の中を下る。
 ここはたぶん周年、水が流れていると思われる。
 道型はほとんどなく、流れの中を飛び石で渡渉しながら下っていくので、あまり快適でない。
 小屋の手前で南から流下するもう一つの沢と合流すると、いくらか足を濡らさないと渡れないほどの水量となる。

イカリモンガ(大きな写真)
キララタケ(大きな写真)

 升沢小屋の中は見なかったが、こちらもきれいそうな小屋だった。

 ここで沢歩きから解放されて、ブナ林の平坦な道。
 ほどなく蛇ヶ岳からの下山ルートである瓶石沢を渡渉。
 こっちを下ってもそこそこ難儀したと思われた。

 大きな鳥居を見ると不動石だが、それらしい石は見当たらなかった。
 緩やかな下りになると、三光ノ宮。
 旗坂方面へ少し行って南に入ったところに積み重なった岩塊があり、線刻された板碑が建てられていた。
 おそらく、青麻神社を勧請したか、供養塔として建てたのだろう。

升沢小屋
三光の宮(大きな写真)

 大滝登山口への下りも、地形図では沢を行くように見えるが、実際には安定した登山道である。
 ブナが多いが、一部にネズコの群生も見られた。

ネズコ群落(大きな写真)
エゾアジサイ(大きな写真)

 かなり出遅れたが、コースが短かったので短時間の割に中身の濃い山行きができた。