雪渓を登る
- 鳥海山往復 -

【年月日】

2020年7月3日
【同行者】 単独
【タイム】

湯の台登山口(6:55)−滝の小屋(7:15)−河原宿(8:21)
−大休止(9:59-10:29)−七高山(11:25)−御室小屋(12:05)
−新山(12:39)−新山分岐(13:28)−湯の台分岐(13:50-13:55)
−河原宿(12:52)−滝の小屋(16:03)−湯の台登山口(16:19)

【地形図】 湯の台 鳥海山 ルート地図(マウスホイールまたは左下のズームで拡大・縮小)

 前夜8時半くらいに出発して、駐車場に着いたのは6時半過ぎだった。
 日東道が通行止めで寸断されていたので、けっこう疲れた。
 天気予報はさほど悪くなかったのだが、関越トンネルを出たころからずっと雨で、酒田市街地に入ってもまだいくらか降っていた。

 湯の台登山口駐車場に着くころには雨も上がり、好天になりそうな雲行きとなった。
 登山口あたりはすでに山の中腹で、草原ではニッコウキスゲが咲いていた。

イワベンケイ(大きな写真)
ツガザクラ(大きな写真)

 歩き出しは7時前。よい時間だった。
 よく整備された石畳の道を行く。マイヅルソウがちょうど見ごろに咲いていた。
 最初の沢には橋がかかっていて、上流側と下流側には雪渓がかかっていた。

 すぐに滝の小屋。
 営業小屋だが、今年は休業するらしい。
 その先、小沢を二本、渡渉する。
 一本目は石伝いに渡れるが、二本目はいくらか足を濡らさなければ渡れない。

雪渓(大きな写真)
イワカガミ(大きな写真)

 ここからしばらく、急な登りとなる。
 早くも森林限界を越えているので、景色はよく、なだらかな斜面のあちこちに雪が残っており、足元にはマルバシモツケやヨツバヒヨドリ、イワカガミなどが咲いていた。

 平坦になると河原宿。
 崩壊しそうな小屋と、ちゃんとしたトイレが建っていた。
 一帯は融雪したばかりと見え、沢沿いのコバイケイソウ以外に、植物はほとんど芽生えていなかった。

 ここから長い雪渓歩きが始まる。
 融雪を集めた沢近くは傾斜があって危ないので、雪渓の東端に沿って登っていく。
 キックステップで問題なく歩ける斜度だったが、念のため軽アイゼンをつけていった。

 真夏でないので大小の雪渓が全てつながっており、夏道はまったく出ていなかった。
 小さなクレバスもあって、面白かった。
 天気はどんどん回復して、ほぼ快晴となった。

溶岩ドームと外輪山(大きな写真)
ショウジョウバカマ(大きな写真)

 雪渓歩きが終わったのは薊坂のとりつきで、ここにも水流があって、ショウジョウバカマが盛んに咲いていた。

 外輪山までさして距離はないのだが、ここは急登。
 足元にはミヤマキンバイ、灌木の中にタカネバラやミヤマハンショウヅルが咲く。
 登り始めてしばらく登ったところにちょっとした展望地があったので、そこで大休止にした。

 その先で傾斜が緩み、すぐに外輪山。
 ここで初めて、溶岩ドームの新山を見る。

 外輪山の尾根は美しいお花畑になっていた。
 ミヤマキンバイ・イワウメ・アオノツガザクラ・イワベンケイ・ツガザクラが至るところに咲いていた。
 まだ早いのか、チョウカイフスマはあまり見なかった。

イワウメ(大きな写真)
アオノツガザクラ(大きな写真)

 七高山近くまで来ると、外輪山からカルデラ底に下る道はあるのだが、御室小屋へは部分的に急な雪渓を横断しなければならないことがわかった。
 その件につき、分岐付近で思案しているハイカーもいた。

 とりあえずアイゼンをはき、登りやすそうな斜面を登ってみたら、いささか高く登りすぎて岩の浮いたガレを下る羽目になった。
 御室小屋も営業していないので閑散としてたが、ハイカーの姿もちらほら見えた。

チョウカイフスマ(大きな写真)
ミヤマキンバイ(大きな写真)

 ここから溶岩ドームにとりつく。
 ドームは岩塊の積み重なった山で、一見するとどこがルートかわかりづらいが、ペンキの目印に従って登っていくと石も落ち着いている。
 とはいえ、足元が悪く、慎重に行ったから、時間はかかった。
 一帯は神域になっているはずだが、ルートにある岩に記念の彫刻が多く、いい気はしなかった。
 植物は少なかったが、ツガザクラがいくらか咲いていた。

 小屋から再び外輪山に戻らねばならないのだが、来たルートは傾斜があって危なく、踏みあとのついた夏道らしきルートも、あまりいい感じでなかったので、少し下って傾斜の少なそうなところを横断した。

 ここまで来ればあとは戻るだけなのだが、時刻は早くも13時半。
 危険なところがないとはいえ、長い下りだった。