朝日鉱泉から大朝日岳周回

【年月日】

1997年8月11〜12日
【同行者】 2人
【タイム】

8/11 朝日鉱泉(9:30)−出合(11:40)−大朝日岳(3:40)
   −大朝日小屋(3:55)
8/12 大朝日小屋(5:50)−小朝日岳(7:20)−鳥原小
   屋(9:20)−朝日鉱泉(1:00)

【地形図】 朝日岳、羽前葉山

朝日鉱泉あたりから見上げる大朝日岳
チョウジギク

 深夜に埼玉を出発。
 東北道はさほど混んでいなかった。

 登山口の朝日鉱泉前に着いたのは、9時過ぎ。
 身体をほぐしてから、朝日川にかかる吊り橋を渡った。

 今日は、大朝日岳までのロングコースだ。

 スギ林が切れると、ブナ・トチ・クルミなどの原生林で、とってもいい気持ち。

 登りのコースは、時間的に有利そうな中ツル尾根を選んだ。
 朝日川を何度か渡り返しながら、平坦な道を行く。

 朝日川の流れは穏やかで美しかった。
 岩場では、チョウジギクの花が咲き始めており、秋の訪れを感じさせる。

 登山道のわきには、チチタケとツチカブリがたくさん出ていた。
 この二種類のきのこは、同時に出ていることが多いな。
 きれいなチチタケだけを選んで摘んでいったが、ビニール袋がけっこう重くなった。

 ヒメベニテングタケという美しいきのこも、いくつかあった。
 ベニテングタケのようにがっちりしていなくて、とても繊細でかわいい、魅力的なきのこだ。

 吊り橋できのこのにおいのするでっかい南京袋をかついだご老人に会い、それは何ですかと聞くと、トンビマイタケだとのことだった。
 60キロはあるので、とっても重いと言っておられた。

 出合というところから、いよいよ中ツルの登り。
 覚悟してはいたが、すさまじい急登だ。
 ブナの大木と、チチタケに慰められながら、ひたすらがまんの登り。

 ちょうど中間あたりのやや平坦なところにあるブナの一群は、すばらしい巨木だった。

 3時間近い急登の末、ようやく森林限界を超える。
 エゾシオガマ、アキノキリンソウ、ヤマトリカブト、ハクサンイチゲ、ミヤマコウゾリナ、タカネマツムシソウ、ミヤマクルマバナ、エゾリンドウながお出迎え。

 うれしい。

 頂稜近くでは、ミヤマコゴメグサ、ウメバチソウ、ミヤマダイモンジソウ、ミヤマリンドウなど。

 急登4時間でようやく立てた大朝日岳のピークは、残念ながら、ガス。
 しかし、たくさんの花が見られたし、雨でなかっただけでよしとした。

 大朝日小屋周辺のタカネナデシコ、トモエシオガマのお花畑もみごとだったし、金玉水近くの雪田あとには、イワショウブ、イワイチョウ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲ、モミジカラマツなどが咲き乱れていた。

 小屋は混んでいたが、案じたほどひどくはなかった。
 夜は、うどんに入れたチチタケを飽食した。

 翌朝もガス。

 のどかに下山したいので、鳥原コースをとった。
 はじめは急降下だが、すぐにのんびりした稜線漫歩。

 タカネヨモギ、ヒトツバヨモギなどの地味な花にまじるハクサンフウロがあざやかだ。

 ちょっときつい小朝日への登りを登りきると、しだいにガスが晴れてき、沢の源頭の雪渓や中ツル尾根がかいま見えた。

 鳥原山まで下るとガスがほとんど消え、爽快な夏山の大展望が広がった。
 ちょっと残念。
 鳥原小屋の豊富な水場でチチタケだし入りそばを食べると、もう下山したような気分になるが、朝日鉱泉はまだ遠い。

 帰路はまたまたチチタケ狩りをしながら、今宵の宿をめざしてひた下った。