春進む丹沢
− 塩水橋から丹沢山周回 −

【年月日】

2018年3月14日
【同行者】 単独
【タイム】

金沢キャンプ場前ゲート(5:55)−塩水橋(6:26)−小休止(6:43-6:49)
−弁天杉入口(7:20)−弁天杉(7:52-7:58)−大休止(8:39-9:10)−エンザンギの頭(9:55)
−タレイの頭(10:14-10:26)−丹沢山(11:07-11:18)−堂平分岐(11:45)
−モチゴヤの頭(12:20-12:24)−天王寺峠(12:51)−塩水橋(13:27)
−金沢キャンプ場前ゲート(13:52)

【地形図】 大山 青野原  ルート地図

 以前であればアプローチだけで半日くらいかかりそうなのだが、圏央道に乗れば道志あたりに行くよりずいぶん近くて驚く。
 塩水橋への林道の途中まで、約3時間で行けた。

 金沢キャンプ場のところで林道は通行止めになっていた。
 林道歩きがやや長くなるが、スタートが早いので問題なし。
 雪シロの入った中津川は、堂々たる流れだった。

 飲まず食わずできたので、塩水林道に入ってしばらくで小休止。
 ミソサザイのさえずりがなんだか懐かしい。

 「ワサビ沢出合」と小さな道標のあるところで登山道に入り、本流を橋で渡る。
 コンクリ道をしばらく行き、道が消えたところで、ワサビ沢を渡渉する。
 やや増水しているので、渡渉にはやや苦労する。

林道から見える弁天杉(大きな写真)
弁天杉(大きな写真)

 ここからしばらく道はないが、鹿道らしき踏みあとがある。
 踏みあとをトラバースしていくと、登山道に合流する。
 この登山道は、どこから来ているのだろうか。

 すぐに弁天杉への分岐。特に道標はない。
 下り気味のトラバースしばしで、弁天杉。
 杉の植林地に生えているのだが、その巨大さは芦生の巨杉に匹敵する。

 登山道に戻って、登高を続ける。
 しばらくトラバース登りだが、踏みあとが消えたところで尾根に急登し、その後はずっと尾根上を行った。
 尾根上に踏みあとはないが、ヤブもないので、問題なし。

 とてもキツイので、休みたいが、平坦地がまったくない。
 しかしいくらかでも荷を軽くしたいと思って、まだ早いが、スギ林を抜けたほぼ中間点あたりで腰を下ろした。

 周囲はモミ・ツガの天然林に変わる。
 なかなかの大木なので、ここも見ごたえがある。

 尾根の上はモミ・ツガだが、斜面はブナ・イヌブナの天然林である。
 下草がほとんどないのは、鹿に食われてしまったせいか。
 生えているのは、ブナとイヌブナが半々くらいで、ミズナラも少し混じっていた。

イヌブナ(大きな写真)
ブナ林(大きな写真)

 我慢の登りでエンザンギの頭。
 展望もないので、ここはスルーし、タレイの頭まで行って休んだ。
 この付近では、防獣柵の工事をしている最中だった。

 防獣柵は二重に立てられており、とても厳重だった。
 サクの内側ではスズタケが茂っており、防獣効果は歴然としているように見えた。

 柵にはいたるところに柵を説明する看板がぶら下げられていた。
 こんなにたくさんの看板を設置する必要はあるのだろうか。
 看板には「山麓の開発によって鹿が追い上げられた」と鹿激増の原因まで特定してあったが、この点についてはずいぶん議論のあるところだと思う。

 残雪はほとんど消えており、残った雪もしだいに緩みつつあった。
 27年前に丹沢山に来たときには登山道のぬかるみに閉口したのだが、このルートに関しては、それほどひどくぬかるんではいなかった。

形のよいブナ(大きな写真)
みやま山荘(大きな写真)

 みやま山荘前まで結局、5時間かかり、さすがに疲れた。
 この日の花粉は風に乗って暴れまくるのでなく、漂っている感じだったが、西側の展望はとてもよく、富士山はもちろん、南アルプス南部もはっきり見えていた。

富士山(大きな写真)
聖・赤石・悪沢(大きな写真)

 この日の気温は20度を超えていたらしく、ずいぶん暖かかった。
 ひと息入れて、天王寺尾根方面への下山路ヘ向かう。

 ブナ林の中の急な下りだが、徹底的に階段が整備されている。
 新しい階段は景観にそぐわない感じだが、古くなったものは樹林帯にほどよく溶け込んで、雰囲気がよい。

蛭ヶ岳(大きな写真)
天王寺尾根上部(大きな写真)

 堂平分岐では天王寺尾根へ入る。
 ブナもあるが、しだいに杉が多くなり、変化に乏しい。

 何も考えずにいつしか天王寺峠。
 北側に道はないから、古い峠ではなさそうだ。

 本谷側へ少し下ると水が出ていたので、水を補給。
 ここまで暖かいと、1.5リットルではとてももたない。

 あとは林道を下るだけだった。
 テングチョウやルリタテハ、ヒオドシチョウらしき蝶などが飛んでいて、早くも春爛漫という雰囲気だった。