大杉の尾根
− 越前岳周回 −

【年月日】

2018年1月2日
【同行者】 単独
【タイム】

山神社駐車場(9:28)−黒岳(10:32-11:07)−越前岳(12:47)−呼子岳(13:41)
−割石峠(13:49)−山神社駐車場(15:16)

【地形図】 印野 愛鷹山  ルート地図

 そこそこ遠いので、家を早めに出たのだが、途中休憩が長すぎて、歩き出しはちょっと遅くなった。
 山神社からスギ林の中、尾根をめざす。

 傾斜が出てくるところから、雑木林に変わる。
 トラバースになってしばらくで、愛鷹山荘。
 小屋前の水場らしきところは枯れていた。

 引き続きトラバースしばしで、富士見峠。
 北側に峠道は見あたらないから、ここは名ばかり峠なのかもしれない。
 富士山も見えない。

愛鷹山荘(大きな写真)
大杉1(大きな写真)

 まずは黒岳をめざして尾根を登る。
 ひと登りすれば富士山の展望地で、そこから黒岳にかけて、大きな杉が数本、生えていた。
 これらは天然杉であるという表示が立てられていた。
 早雲の時代までは遡らないにしても、芽生えたのは戦国時代か江戸の初期だろう。

 北側の山麓で、立て続けに銃声が聞こえる。
 時期からしてハンターによるものかと思い、カウベルを出して、音を鳴らしながら行ったが、数十発撃っても音がやまない。
 火薬や弾丸の無駄遣いだから、どんなにいい獲物がいたとしても、ハンターならそんなに撃ちまくったりはしない。

 思うにその銃声は、東富士演習場での戦争練習によるものだったのだろう。
 この近所の人は、毎日、間断ない銃声の中で暮らしているのだろうか。

 北西尾根からの下山道は通行止めになっていた。
 シデの多い整った雑木林をやや東に行ったところが、黒岳のピークだった。

 富士山の見える北西側が伐開されていて、好展望。
 樹林の切れ間から、丹沢方面と箱根の中央火口丘方面も望まれた。
 金時山周辺は、樹林越しだった。

大杉2(大きな写真)
富士山(大きな写真)

 ベンチもあったので、ここで大休止。
 雪もなく、晴れて暖かな低山なので、オプティマス・ベガは火力に特段の問題なし。
 これなら、非常にきびしい風雪や雪洞内でもなければ、一年を通して使えそうだ。

 来た道を戻り、富士見峠から越前岳に向かって登る。
 ひどい急登ではないが、長い登りである。
 南側の尾根がときおり切れ落ちていて、展望のよいところもあるが、ロープで登山者が入らないようになっていた。

 上部の日陰には踏まれた雪が凍っていた。
 こういうことがあるので、この時期の低山歩きには、軽アイゼンやストックをあったほうがよい。

神山・駒ケ岳(大きな写真)
鋸岳(大きな写真)

 越前岳に着いたときにはお昼を回っていたが、たくさんのハイカーが群れていた。
 富士山が大きく見えるかと思いきや、それほどでもなかった。
 南アルプスはほぼ全山が見えていたが、白峰三山は下半分を天子山塊に遮られていた。

富士山(大きな写真)
赤石・悪沢(大きな写真)

 南側には、沼津市街地の向こうに、駿河湾と伊豆半島が望まれた。
 この景色も、自分にとっては、はなはだ珍しいものだった。

 休む場所もないので、そのまま南へ急降下して、割石峠をめざす。
 基本的にはやせ尾根続きだが、ときどき、南アルプスや駿河湾の展望が開ける。

悪沢・塩見(大きな写真)
駿河湾(大きな写真)

 呼子岳を越えれば、割石峠はすぐで、下山道に入る。
 最初は道形もない、急なガレ場下り。
 踏まれた雪もあるので、ここは慎重に行く。

 次第に道がはっきりしてきて、水場の表示があるが、水はまったくなし。
 ここは火山なので、これだけ旱天が続けば、水はすぐになくなってしまうのだろう。

大室山・檜洞丸・蛭ヶ岳(大きな写真)
大杉3(大きな写真)

 周囲は、基本的にはさほど古くないブナ林なのだが、登山道の真ん中に、大杉。
 単に「大杉」と書かれた表示が立っていた。
 黒岳の大杉群より大きいのだが、近くには同じようなスギは見当たらなかった。
 とは言え、位牌岳の斜面を見上げると、スギがそこここに点在しており、中にはかなり大きそうなのも見えていた。

 最奥の堰堤から先は広い道になった。
 大沢は水がまったく流れていない川で、河原のガレを自動車で走り回って遊んでいる人々がいた。
 山の北側では戦争の練習をしており、山の南側では自動車で河原走行の練習しているのだが、あまり生産的ではないなと思った。