厳道峠から鳥井立

【年月日】

2002年11月13日
【同行者】 Uさん
【タイム】

厳道峠入口(9:30)−厳道峠(10:30)−大栗分岐(14:50)
−大栗(16:30)

【地形図】 大室山

厳道峠から富士山を望む
 この日は、すこぶる体調が悪かった。
 こんなに体調にの悪い日に山歩きをしたのは初めてだったが、低山であるし、ここまで具合が悪いと思っていなかったので、強行したのだった。

 大栗集落に自転車をデポし、自動車で厳道峠入口に移動して、身支度。
 はじめは、調子が悪いなりに、林道歩きなので、のんびり歩けた。

 木々の紅葉は、ちょうど最盛期を迎えたところで、たいへんみごとだった。
 路傍では、リンドウが、すきとおるような青い花をいくつも咲かせていた。
 小さなイナゴが、落ち葉の上を跳ねては、乾いた音を立てていた。

 歩くのがとても遅く、一時間かかって、ようやく厳道峠。
 登山道に入って少しで、送電鉄塔の建つ、見晴らしのよい日だまりに着いたので、小休止。
 御正体山と西丹沢の山にはさまれた富士山が、冠雪して、白く輝いており、Uさんが喜んでくれた。

 ここからは、南側(左側)がアカマツで、北側(右側)がスギや雑木林になった尾根を急登する。
 ただ単なる急登なのだが、息が切れてしかたがなかった。
 アカマツの生えた斜面は、ひょっとしてシモフリシメジが出ているのではないかと期待されたが、あまりに苦しかったので、きのこどころではなかった。

 共聴アンテナのような建物の建つ、鳥井立ピークから先は、比較的アップダウンの少ない、気分のよい尾根だった。
 ウィークデーとあってハイカーも少なかったが、ミズナラ・カエデ等の雑木を中心とする、初冬の低山の美しさを十分に見せる稜線漫歩だった。

 小さな日だまりのピークで、大休止。
 落ち葉の上に腰を下ろし、燗したワインやホットサンドで、ひといき入れた。

 ブナが混じってくると、昨年暮れに登ってきたときには、浅い積雪の中だった、大栗との分岐。
 ようやくここまでたどり着いたという感じだった。

 ここからしばらくは、正面に大室山を見ながら、急降下。
 伐採跡地まで下ると、ノイバラやムラサキシキブ、ガマズミなど、晩秋の果実がどっさり実っていて、目を奪われる。

 昨年、ここのノイバラをいただいていって、優しい甘みのノイバラ酒を作ったのだが、今回は、見事に赤く熟していたガマズミを摘んでいった。

 日当たりのよい路傍では、ここでも、野山におけることし最後の彩りを飾るべく、リュウノウギクとリンドウが、懸命に咲いていた。
 日の短い晩秋とあって、大栗集落に降り立ったときにはもう、日が落ちていた。