ガスと風の稜線
−初秋の武尊山−

【年月日】

2008年9月28〜29日
【同行者】 合計5名
【タイム】

9/28 武尊橋(10:53)−宝台樹キャンプ場(11:35-12:00)−裏見の滝(12:45)
   −宝台樹キャンプ場(14:55) 幕営
9/29 宝台樹キャンプ場(5:30)−林道広場(6:13-6:18)−上ノ原登山道合流点(7:12)
   −武尊山(8:25-8:42)−手小屋沢避難小屋(9:57-10:05)−宝台樹キャンプ場(11:29-11:55)
   −武尊橋(12:32)

【地形図】 藤原湖、鎌田 ルート地図

一日目

 久々の武尊山なので、重厚なブナ林を歩くのはとても楽しみだった。
 今回の武尊神社コースは、18年前に歩いた上ノ原コースのバリエーションルートだ。

 今回は、電車とバスでのアプローチ。
 初日は、武尊橋バス停から宝台樹キャンプ場まで。

裏見の滝(大きな写真)
滝展望台のアスナロ

 車道をしばらく行き、ショートカットで青木沢集落に出て、再びショートカットでキャンプ場に至る。
 ショートカット部分は、スギ林や雑木林のゆるやかな登りだ。

 道ばたには、オオキヌハダトマヤタケ・カラマツチチタケ・カバイロツルタケ・ニガクリタケ・クヌギタケ・ウスキモリノカサなどがちらほら出ていた。

 時間があったので、設営をすませてから、裏見の滝まで散歩。
 道路沿いにヤマブドウやガマズミが実っていたが、きのこは見あたらなかった。

 裏見の滝は、落差約20メートル。
 武尊川はやや増水気味で、なかなか見応えがあった。

 展望台へ下りる遊歩道のわきには、ミズナラやアスナロ・プナなどの大木があって、風情がよかったが、滝の裏側への道が通行止めになっていたのは。残念だった。

 滝を背景に写真を撮って、キャンプ場に戻った。
 道路沿いにきのこがあるかと期待したが、案に相違して何もなかったので、キャンプ場のカラマツ林を一回りして、程度のよいハナイグチを拾い集めた。

ハナイグチ
紅葉始まる稜線

 ここにはハナイグチ以外に、ドクベニタケ・ムジナタケ・カワリハツ・シロヒメカヤタケ・オオキツネタケ・シロヌメリイグチ・ホテイシメジ・コゲエノヘラタケ・カラマツチチタケ・キツネノチャブクロ・オオチャワンタケ・オオキヌハダトマヤタケ・テングタケ・キツネタケなどが出ていて、面白かった。
 なかでも、シロヒメカヤタケとオオキツネタケの写真が撮れてうれしかった。

 ここで集めたハナイグチは、油揚げ・魚肉ソーセージと一緒に味噌炒めにして食べた。

二日目

 翌朝は、5時半に出発した。
 武尊神社先の林道の広くなったところで小休止。
 細くなった林道がカーブしてしばらくで、道標の立つ登山口だ。

 小沢を渡り返しながら緩やかに登っていくと、最初はスギ林。
 ついでカラマツの植林地となる。
 ヤマブドウのツルが立木にからみついているので、ブドウ狩りをしてみたくなるが、ひたすら登る。

 オシロイタケ・ツチスギタケ・ハナイグチ・シロヌメリイグチなどを足元に見る。
 18年前の武尊山でも、オシロイタケをたくさん見た記憶がある。
 オシロイタケは、カラマツに相性のよいきのこなのかも知れない。

 カラマツがとぎれると傾斜が出てきて、プナの原生林。
 メボソムシクイがさえずり、プナシメジ・チシオタケ・タヌキノチャブクロなどを、そこここに見る。

 小1時間ほどで上ノ原道との合流点。
 尾根の上には、ネズコの大木がとても立派だ。

 ここからはオオシラビソなど、針葉樹林の道になり、スギヒラタケが多くなる。
 武尊湿原からこの山へ登ったときには、当時は可食と言われていたスギヒラタケを食ったような記憶があるが、今ではれっきとした猛毒きのこだ。

 急な道を登っていくと、行者ころげの鎖場。
 鎖・ロープの下がったところが、都合5ヶ所出てくる。
 初参加の人もいるので、岩場の登り方を教えてゆるゆると登るが、心配するほどではなく、問題なく登っていけた。

 最後の鎖場を登りきると、のぞき状の展望台。
 残念ながら、ガスのため、周囲は何も見えなかったが、ミネカエデが紅くなっていたので、頂稜部の紅葉が期待できた。

色づくオオカメノキ
上ノ原道合流点のネズコ大木

 シャクナゲやナナカマドが多くなると、頂稜。
 展望のないのが返す返すも残念。
 紅葉も、期待していたほどではなかった。

 ハイマツを見ると、山頂直下。
 ヤブ下には雪が積もっていた。

 山頂では強い風が吹いていて、ずいぶん寒かった。
 ときおりガスが切れると、サンショウウオのいる池や周囲が見えるのだが、遠くは燧ヶ岳の山頂がちらっと見えただけだった。

 記念写真を撮り、早々に下山。
 鎖場では、あとから登ってくる人々が多く、ちょっとした渋滞になっていた。

 18年前に崩壊寸前だった手小屋沢避難小屋に寄ってみると、谷川連峰に多いカマボコ型の小屋に建て替えられていた。
 床は板張りでなくスノコだったが、それなりに快適に泊まれそうだった。

 登り同様、ハイペースで下っていったが、キャンプ場に着いたころに、小雨が降り始めた。