2日目
朝は、時間通りにスタートできた。
歩き出しは暗かったが、奥社の尾根に出る手前で、夜が明けた。
きれいな朝焼けだったが、天気が崩れる兆しかもしれないと思った。
尾根に上がってしまえば、急なところはなく、ほどなく剣ヶ峰に着いた。
期待通りによく晴れており、これまでで最も好展望の両神山だった。
団体さんはまだ登ってきておらず、二人づれのハイカーしかいなかったのも、幸運だった。
秩父市方面・奥秩父・富士山・八ヶ岳連峰・御座山・浅間連峰・榛名山と志賀から谷川にかけての山々、そして北アルプスの大展望を楽しんだのち、八丁尾根に向かった。
すぐに何ヶ所かの鎖場を通るが前東あたりまでは穏やかな尾根道が続く。
ルートが本格的に険しくなるのは、東岳からである。
上落合橋やトンネルからのハイカーも続々と登ってきており、鎖場でのすれ違いにかなり時間がかかってしまったが、パーティはさほど苦しまずに、淡々と登降を続けているように見えた。
東岳から西岳までの間が最も厳しいところである。
ナイフリッジ先の竜頭神社の奥社は、雪のためか、倒壊してしまっていた。
ここで小休止。
行蔵坊を越えれば、岩尾根区間は終了となる。
八丁峠に着いたのは、12時40分のバスに間に合うかどうか、微妙な時間だった。
坂本方面へ下り始めると、踏みあとがやや薄くなる。
このあたりの紅葉はいい感じで、できればゆっくり下りたいところだったが、時間のことを考えると、そんなわけにもいかなかった。
沢に降りる手前で、倒木のために道が不鮮明になったところで、トップと交替した。
2年前と比べて、ピンクテープの目印は多くなっていたが、道型自体がずいぶん怪しくなっていた。
渡渉や倒木くぐりを交えながら急いで、大岩に着いたときにはバスに間に合いそうな気がしてきた。
いい感じの渓流もあまり見ないで先を急ぎ、先を急ぎ、再び荒れたところを過ぎると、山ノ神近くまで来た。
ここまで来れば、通行困難なところはないから、あとはスピードを上げて、どんどん下った。
バス停に着いたのはバスが出る10分前と、ギリギリだったが、予定のバスに乗ることができた。