登り口は、皆本集会所わきの小さな薬師堂前。
集会所の背後から尾根にとりつくが、のっけからかなりの急登で息が切れる。
祭礼のために登っている人がいるので、尾根の上の踏みあとは、はっきりしている。
この尾根にはモミの木がとても多い。
登りついたお天狗様ピークにはアカマツが数本。
うち何本かは枯れていて、ヒトクチタケが出ていた。
急斜面にはミツバツツジが多く、ちょうど見ごろの花を咲かせていた。
山頂の日だまりには、石祠とお天狗様の由来を記した石碑が置かれていた。
それによると、ここはもと鉢形北条氏の見張り所だったが、文久年間に天狗様がまつられるようになり、以来地元集落の守り神であった。
祠が風化してきたため、地元篤信者がお天狗様の由来を明らかにするために建てたのが、その石碑だということだった。
少し戻ってお天狗様を巻き、さらに進むと鉄索のあと。
鉄柱やワイヤの残骸が散乱していた。
その先の尾根には送電鉄塔が建っているので、2本目の鉄塔までは巡視路をのんびり行けばよい。
法師落人集落近くにある2本目の鉄塔で南西への尾根にのる。
この尾根には道がない可能性があったのだが、前半は比較的はっきりした踏みあとがあった。
枯れたアカマツが2本立っているところで、マゴジャクシの群生を発見。
今年の夏には取りにこれるかな。
ミツバツツジを愛でながらいくと、やや急な登りで道が消える。
強引に登りつめると、踏みあと。
これは、石上か軍平集落方面に下る道のようだ。
ここは、南へ。
857メートルピークとの鞍部に、カタクリの小群落があるが花はほとんど咲いてなかった。
ピークへは直登せずに東側を巻く道に入る。
ピークを巻き終え町村界に出たところにはほとんど道なし。
ここはコンパスを出して慎重に方向を探らなければならない。
新しい植林地から北側が開けるところがあって、歩いてきた尾根や、地元で毘沙門山と呼ばれている白石山がよく見える。
尾根の上を南東へしばらくで両詰山。
ここまで来ればあとはおおむね下りなので、大休止。
周囲はほとんどヒノキの植林地で展望なし。
快晴とは言えないが、とても暖かい日だった。
ここからは尾根を直進せずに北東斜面を急降下すると、町村界尾根に乗る。
おおむねヒノキの植林地だが、ところどころに雑木が残っており、タラノメもちらほら。
両側を見回しながら下っていくと、尾根を越える林道。
この道を歩いても帰れるのだが、山道の方が気分がよいからさらに尾根を行く。
この尾根ではヤマツツジが咲き始めていた。
二つ目の送電鉄塔が戸蓋峠の少し西にある。
戸蓋峠道を下ると赤平川の渡渉となるから、ここは鉄塔巡視路を下ることにする。
草花の季節にはまだ早いのか、ミミガタテンナンショウやヨゴレネコノメがたくさん咲いていたが、ジュウニヒトエなどもいま少しという感じだった。
谷に近づくと、モミジガサが芽吹いていた。