ヘアピンカーブの探勝路入口付近に、車は一台もとまっていなかった。
準備をして歩き出すが、ザックが重い。
相変わらず蒸し暑いので、飲み物を2リットルも入れたうえ、三脚まで持ってきたからだろう。
飲み物は順次、消費するので、そのうち軽くなることを期待して歩き出す。
堰堤を越えるとすぐに多段滝。
とてもみごとだ。
ここは左岸の鉄階段で越す。
すぐに三ツ釜。
滝下まで降りてみたが、水量がやや多く、写真は撮らなかった。
少し歩いて、ネヂレ滝の分岐。
ここはかなり下る。
沢身まで下って、岩場をへつりながら上流側へ行くと、暗い井戸の底のようなところに、水量豊かな二段滝が落ちていた。
これは壮観だった。
さらに行くと、大滝の分岐。
ネヂレ滝までザックを背負って降りたら疲れたので、ここはザックを置いて下った。
迫力のある大きな淵を持ち、やはり二段に流下していた。
2019年の台風19号でずいぶん埋まっただろうと思うが、それでも大きな淵だった。
大きな滝はこれで終わりだが、海沢の水量はまだ十分で、イワナがまだいるのではないかと思われた。
ゆるく登っていくと、かなり大規模なわさび田。
まだ、現役で使われていた。
水量が痩せてくると、奥の二股。
水量の少ない左に入ると、傾斜が増す。
地形図的に見ても、ここが頑張りどころだ。
小尾根に登り着くと、意外なことに水の流れる音がする。
登りついた尾根の直下を沢が流れているのだった。
尾根はまずまず穏やかで、ひと息つける。
主稜線に出る手前に柵がしてあって、通行止めとあった。
大岳山まで、あと少しだった。
大岳山はこれで5度目。
この前来たのは、3年前の大雪の日だったが、今日は真夏のように暑い日だ。
ここで大休止。
誰にも会わずここまで来たが、山頂にはたくさんのハイカーが去来して、そこそこ賑わっていた。
ここから御岳山まで、一般コース。
つい気が緩んで、奥の院直下でひどいルートミス。
奥の院の肩を越えるところで、養沢川方面の急降下に入ってしまった。
下りきった遊歩道が広場になっていて、公衆トイレが設置されているのをみてようやく気がついた。
ナゴー平まで急な登り返しがないのが、せめてもの救いだった。
大楢峠への分岐は、旅館街の一角にあって、あまり目立たない。
左に折れてみると、大楢峠への遊歩道も通行止めとあった。
とはいえ、ここを行くしかないので、そのまま進む。
ほどなく、小規模な山抜けがあって先が思いやられたが、崩壊地は結局ここだけだった。
登り下りがなく、ずいぶんよくできた遊歩道で、ときおり渡る小沢で現在地が知れる。
峠に近づくにつれて植林も出てくるが、おおむね自然林で、今少し涼しくなればきのこが出そうなところだった。
あがりこ栃なんかも生えていて、目を引いた。
大楢峠からの車道はひどく波打ってしまっていて、これはどうも施工不良なんではないかと思われた。
御岳の旅館街から駐車スペースまで、1時間半くらいで下れた。
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