いつも快晴の鷹ノ巣山
−鷹ノ巣山から七ツ石山−

【年月日】

2017年12月24日〜25日
【同行者】 全部で4名
【タイム】

12/24 東日原(8:10)−稲村岩(9:40-9:45)−小休止(10:47-10:57)−昼飯食いタワ(12:17-12:27)
   −鷹ノ巣山(13:08-13:21)−鷹ノ巣避難小屋(13:39) その後水探し(14:05-15:11)
12/25 鷹ノ巣避難小屋(6:30)−日陰名栗山展望地(6:54-7:09)−千本ツツジ先展望地(8:01-8:11)
   −七ツ石山(8:38-8:58)−七ツ石小屋(9:16)−堂所(9:51-9:58)
   −1115メートル付近水場(10:16-10:23)−留浦バス停(11:41)

【地形図】 武蔵日原、奥多摩湖 ルート地図

一日目(東日原〜鷹ノ巣避難小屋)

 朝イチの東日原だが、冷え込みはさほどひどくなかった。
 身支度を整えて、巳ノ戸橋を渡ると、久しぶりの重荷がけっこうきつい。

 しばらくトラバースし、伏流帯を通って稲村岩鞍部への取付きへ向かう。
 伏流帯の岩がなかなか立派だ。
 取付きからの登りは急斜面だが、ジグザグを切っていくので急登ではない。

 鞍部でザックを下ろし、稲村岩へ。
 二ツ玉低気圧が近づいているので曇ってはいるが、周りの山はまだ問題なく、見えていた。
 日原に向かって据えられた祠に安全を祈願して、鞍部に戻る。

稲村尾根の大ブナ(大きな写真)
ブナの道(大きな写真)

 ここから、きびしい急登が始まる。
 最初は植林地。
 ついでブナ混じりの二次林。

 GPSで現在地を確認すると、まだほとんど登っていないのに気づいて、見なければよかったと思う。
 空を見上げると、雲が南から北に向かってかなり速く流れていた。
 すれ違った人が尾根は風がひどいと言っていた。

 ひと息入れたあたりからブナ原生林となる。
 昼飯食いのタルまで基本的にはブナ林である。
 ここはいいところだ。

 昼飯食いのタルでも小休止。
 ここからはツガの木も混じる。
 鷹ノ巣山まで、さほど時間はかからない。

 南の山々は見えないかもしれないと思っていたが、雲に浮かぶように富士山の頭が出ており、白峰三山や仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳が見えていた。
 鷹ノ巣山はいつ来ても、好展望でありがたい。

午後の富士1(大きな写真)
午後の富士2(大きな写真)

 ゆるゆると下って避難小屋をのぞくと、登山者が一人、休んでいたが、泊まるわけではないということだった。
 問題は水だった。

 出かける前に見た雲取山荘のホームページに「水が少ない」と書いてあった。
 芝水の出が悪いなど、聞いたことがなかった。
 それが出てないとなると、過去二度来たときにはよく出ていた鷹ノ巣の水場も不安である。

 ポリタンを持って水場に行ってみると、ヤバイことに、水は一滴も出ていなかった。
 たいへんマズイ事態である。

 時刻は14時。
 もし水探しに行くなら、直ちに出かけなければ日没になりかねない。
 小屋に戻って地形図で見当をつけ、ザックをカラにし、同行者に「15時までに戻ります」と言って、南への尾根に向かった。

 水場のある谷は急傾斜の崖なので、下降不能。
 反対側の谷には小尾根があって、こちらなら下れそうだった。

 しばらく下ると熊の糞があったが、鈴があったので多分大丈夫。
 対岸の急斜面を鹿が駆け登った。

 水探しは耳を澄ませて行う。
 木々がそよぐざわめきの中から、チョロチョロという音を聞き出して、斜面をずり下る。
 ようやく水流を見つけたのは14時半を少し回っていた。
 水を汲んだら、早く帰らなければ同行者が心配する。

 急斜面の登りでヘトヘトになったが、首尾よく水を手に入れることができてよかった。

 同行者と四方山話をしていたところから、記憶がない。

二日目(鷹ノ巣避難小屋〜留浦)

 夜中にトイレに起きたのは何時ごろだっただろうか。
 かなり強い雨が降っていたので、翌朝はダメだろうと思った。

 出発準備に1時間みて、5時20分に起床したのだが、同行者が「星が出ていますが雲も広がっています」と言っていた。
 快晴なら鷹ノ巣山に戻ってもよいのだが、雲が出ているのでは、無駄足になるかもしれない。
 日陰名栗山の展望地に向かえば、無駄足にならず晴れていれば絶景が得られると考え、縦走路を西へ向かうことにした。

 冬型になったので、北風が冷たかった。
 出発が予定より10分ほど遅れたので、展望地に着く寸前に夜が明けた。

朝の富士(大きな写真)
孤高のブナ(大きな写真)

 夜明けがもっとも美しいのは、太陽が昇る10分ほど前だ。
 できれば予定通りに出発したかった。
 とはいえ、いつもと同じようにすばらしい黎明だった。
 同行者にいいものを見てもらえてよかった。

 南アルプスは雲がちだったが、丹沢・奥多摩・大菩薩・道志などは鮮明に見えた。
 昨夜の雨は大菩薩連嶺あたりでは雪だったようで冠雪していた。

 日陰名栗山を越えると、正面が雲取山になる。
 ゆるゆる下って、高丸山の鞍部から巻き道に入った。

 巻き道は樹林帯になるが、千本ツツジの分岐を過ぎた先に展望地があったので、小休止。
 すっかり明るくなり、富士山麓の雲も次第にとれてきて、富士山もすっきりと見えるようになった。

 ここまで来れば、七ツ石山へはあと少しだ。
 尾根に戻り、傾いた七ツ石神社を過ぎると、ここも大展望の七ツ石山に着いた。
 前回来たときには南アルプス南部が見えたのだが、今回そこまでは見えなかった。

 休んでいると、雲取山方面からハイカーが次々にやってくる。
 前の日は日曜日だったが、鷹ノ巣山ではハイカーをほとんど見なかった。
 ウィークデーでも、雲取山の人気は桁違いだ。

 十分休んで、下山にかかる。

雪煙の富士(大きな写真)
雲取山(大きな写真)

 七ツ石小屋の水場は十分出ていた。
 渇水は長く好天が続いたせいだが、七ツ石小屋の水場は旱天に強いのだということがわかった。

 よく整備された広い道を下って、堂所で小休止。
 この尾根には、平将門に関する伝説を記した看板が新しく設置されたようだ。
 伝説が存在してはいけないとは思わないが、何の根拠もない作り話を公然と掲げる神経は、理解し難い。

 堂所からやや下り、やはり将門に関する看板が立てられてしまった広場の水場でちょっと止まる。
 後方には、石尾根と思われる広葉樹の尾根がまことに高い。

 小袖集落が左下方に見えても、鴨沢はまだ遠い。
 小袖乗越で小休止しようと思って、ザックをおろしたが、時計を見ると、留浦発のバスに間に合うかどうか、微妙な時間だということがわかった。

 バスの便が多ければ問題ないのだが、11時47分発の次は2時間後だったので、これは急いだほうがよかろうということに衆議一決し、休むのをやめた。
 鴨沢が近くなると、バスの時間が一段と微妙になってきた。

 車道に出てからは、ありえないほどの早歩きになったが、思っていたバス便に首尾よく間に合った。
 なかなか疲れたので、その後はバスでも電車でもずっと眠っていたが、日の高いうちに秩父へ戻れたので、助かった。

 翌日はいくらか筋肉痛になったが、その原因は、ラスト10分間の早歩きだと思う。