新緑の奥多摩
−横スズ尾根から三ツドッケ−

【年月日】

2014年5月10〜11日
【同行者】 全部で12人
【タイム】

5/10 東日原(9:20)−小休止(9:59-10:09)−小休止(10:59-11:09)−一杯水避難小屋(11:35-12:31)
  −三ツドッケ(12:45-13:34)−一杯水避難小屋(13:50)
5/11 一杯水避難小屋(4:00)−−三ツドッケ(4:18-4:50)−一杯水避難小屋(5:05-5:12)
  −蕎麦粒山(6:05-6:19)−大楢(6:57-7:10)−51号鉄塔(7:44-7:50)−大日堂(8:36)

【地形図】 雲取山、三峰 武蔵日原 秩父 ルート地図

新緑のミズナラ林(大きな写真)
大ミズナラ(大きな写真)

 青梅駅で電車を乗り換えるころから、ハイカーの姿が異常なほど多く、ほぼ満員の乗客は、少しずつ減ってはいったものの、奥多摩駅に着いてもラッシュアワー並みの大混雑だった。
 駅から出ても、ロータリーは人であふれており、東日原行きのバス乗り場には、長い行列がすでにできていた。

 最後尾と思われる人に「ここは最後尾ですか」と尋ねると「そうです」と言われたので、その後ろに並ぶと、別の男が「最後尾はそっちじゃないぞ。こっちだぞ」とでかい声で怒鳴りはじめた。
 道路に駐車している車があったために、最後尾が二つできていたらしいのだが、その男が「最後尾はこっちだかんな!」「そっちに並ぶと喧嘩になるぞ」と息巻いていたにもかかわらず、バスのドアが開くと、最後尾は自然に収束して、一列になった。

 とはいえ、ハイカーは、定時の東日原行きのバスに乗り切れる人数ではなく、結局、臨時バスが2台出て、ようやく収まったのだった。
 西東京バスには、感謝しなければならない。

 天気は上々で、新緑がすばらしい。
 身支度を整えてさっそく、集落裏の急斜面にとりつく。

 ここはジグザグに登っていくので、見た目ほどひどくはないのだが、急登であることに違いはない。

 いつもの休憩地点は、滝入の峰の巻き道に入る手前の若いミズナラ林だ。
 秋には紅葉の美しいここは、鮮やかな新緑に包まれていた。

 滝入りの峰の巻き道も、緑が美しい。
 斜面では、ミツバツツジがちょうど見ごろだった。

 倉沢分岐あたりで小休止と思っていたのだが、分岐を見落としたので、少し先で休んだ。
 足元にはミツバツチグリが点々と咲き、樹林越しの蕎麦粒山が間近く見えた。

 ここからの尾根道は、ブナやミズナラの大木があって、気持ちのよいところだ。
 まだ先だと思っていたのに、思ったよりあっけなく、一杯水の小屋の屋根が見えた。

アセビと川苔山(大きな写真)
新緑まだき蕎麦粒山(大きな写真)

 小屋前は、トレイルラン大会のエイド補給地になっており、役員の人々が選手に食べ物を渡したり、ルートを指示したりしていた。
 テントスペースは空いていたので、小屋前と道標の前にパーティのテントを張って、自分はツェルトを張った。

 時間がたっぷりあったので、三ツドッケまで空身で散歩に行った。
 12月に来たときには、深雪のため小1時間ほどもかかったのだが、今回は三角点まで、20分もかからなかった。

 快晴ではあるが、さすがにこの季節の午後だけあって、よく見えてはいたが、都心などははっきり見えなかった。
 先日歩いた三頭山や御前山など、多摩川右岸の山々は意外に近く、三頭山からこちらははっきり見えているはずだった。

 小屋に戻り、水汲みに行く。
 旱天が続いているにもかかわらず、トレランの役員の方が水はよく出ていると言っていたので、ひと安心だったが、一杯水の水場は給水地になっており、次々に到着する選手への給水のため、水汲みに結局、1時間くらいかかってしまった。

 トレランの人々が下山して静かになり、陽が落ちて涼しくなった。
 まずまず平和な夕暮れだった。

 夜の間は、強めの風が吹いており、ツェルトの裾から吹き込んでくる風がシュラフを通ってきて、やや寒かった。
 真夜中には、月が煌々と輝いていてずいぶん明るかったが、明け方近くにずいぶん暗くなったので、天気が悪くなったのかと思ったが、山の端に月が隠れただけで、相変わらずよく晴れていてよかった。

小屋前の大ブナ(大きな写真)
三ツドッケのご来光(大きな写真)

 予定通り4時に出発できたので、ご来光がゲットできたと思いながら急斜面を登る。
 前回は、山頂直下で陽が出てしまったのだが、今回は日の出まで余裕を持って、山頂に着いた。

 風をよけるために北側でしばらく休んでいたら、ご来光予定時刻に筑波山のわきから陽が昇り始めた。
 いつもながら、よい日の出だった。

三ツドッケから望む富士山(大きな写真)
水源林道の大ブナ(大きな写真)

 小屋に戻り、蕎麦粒山に向かう。
 12月にはラッセルに苦しんだ道だが、荷物も軽くなって、軽快に進む。
 蕎麦粒山へはあっけなく着いた。

 快晴ではあるが、東京までは見えなかった。
 埼玉県方面に、大きな池か川が、太陽を照り返して輝いていた。

アズキナシ爛漫(大きな写真)
57号鉄塔から三ツドッケを振り返る(大きな写真)

 仙元峠に登り返してしまえば、あと基本的には下りばかりだ。
 大楢・57号鉄塔でそれぞれ小休止をとったが、予定していた11時のバスどころか、9時のバスに、十分間に合った。