残雪を踏んで
−三頭山から御前山−

【年月日】

2014年3月25〜26日
【同行者】 全部で9人
【タイム】

3/25(火) 仲の平(8:29)−槙寄山(10:00-10:12)−三頭山避難小屋(11:52-12:36)
     −三頭山(12:59-13:18)−三頭山避難小屋(13:28)
3/26(水) 三頭山避難小屋(5:16)−展望台(5:40-5:53)−小休止(6:20-6:34)−鞘口峠(7:01-7:12)
     小休止(7:55-8:04)−月夜見第二駐車場(8:51-9:02)−小休止(10:07-10:17)−御前山(11:18-11:44)
     −大ダワ(13:11-13:19)−小休止(13:58-14:04)−天聖神社(14:41-14:49)−奥多摩駅(15:43)

【地形図】 猪丸、七保 丹波 奥多摩湖 ルート地図

 自分にとっては、大雪以来、久しぶりの山行きだった。
 この間ずっと忙しかったので、出かける前は少々不安だったが、八高線の車窓から青空をバックにした大岳山を見ると、かなりやる気が出てきた。

 仲の平から西原峠へ登るのは三度目なのだが、周囲の景色などはすっかり忘れていた。
 出発してからの車道歩きは、傾斜がきつく感じた。

槇寄山からの富士山(大きな写真)
大ブナ立つ(大きな写真)

 登山道に入ってから最初の急登を過ぎると、傾斜もゆるんで、雑木の尾根になる。
 残雪もときどき出てくるが、歩きにくいほどではなかった。

 まもなく西原峠へのトラバースにかかる。
 ここが凍結しているかも知れないと予想していたのだが、普通の腐れ雪で、なんの問題もなかった。
 はじめは重かった身体が、本調子に戻りつつあるのを感じた。

 槙寄山に着くまで青空がもってほしかったが、小さな傘をかぶってはいたものの、くっきりとしたいい富士山を望むことができた。
 これを見ることができただけでも、この山に来た意味があると思った。

 しばらく緩い登りだが、大沢山への急登は堪える。
 きつくはあるが、この日最後の登りと思って頑張った。

 平日とあって、ここまで登山者には会わなかったし、積雪のため、数馬以外のコースから登ってくる人がいるとは思えなかった。

 小屋裏の谷を下って、水場を探しに行ってみたが、谷は雪に埋もれており、比較的新しい雪崩のあともあった。

 ひといき入れて山頂に行ってみることになった。
 ここでも、東側の谷で水がとれないか下って調べたが、水流は出ていなかった。

三頭山から雲取山を望む(大きな写真)
ヒオドシチョウ(大きな写真)

 西峰のピークには深い残雪が残っていたが、周縁からどんどんとけ始めていた。
 ここからはまだ、富士山や雲取山がよく見えていた。
 ヒオドシチョウが二頭、春を楽しむかのように舞っていた。

三頭山避難小屋(大きな写真)
三頭山の日没(大きな写真)

 翌日は天気が崩れる予報だったが、日没が近づいて薄暮になっても、小屋前から富士山が見えており、大菩薩山塊に沈む夕日も見ることができた。

三頭山から望む夕暮れの富士山(大きな写真)
若ブナ(大きな写真)

 水探しで非常に疲れてもいたので、シュラフに入るとまもなく眠ってしまった。

 雨は降ってないが雲がちで、西峰から富士山は見えなくなっていた。
 中央峰近くの展望台で小休止。
 展望台と言っても大岳山と御前山くらいしか見えていない。
 ここから御前山への長い道に入っていく。

 鞘口峠へは多少の登りもあるが基本的には急降下となる。
 ブナ・シナ・イヌブナの大木がいい感じだ。

シナ大木(大きな写真)
イヌブナ大木(大きな写真)

 鞘口峠からは急登になる。
 登りきった植林地にここはドリーネであるという説明板が立てられてあったが、とてもそのようには見えない、ただの凹地に過ぎなかった。

 砥山を巻いて過ぎる。
 風張峠からしばらくは車道を絡みながら行く。
 道路は除雪されてあったが、自動車の通行はなかった。

 月夜見山を越えて下った第二駐車場で小休止だったが、ここまで来て御前山までまだ約半分しか来ていないのである。

 ここから御前山へは、幅広い防火帯を行く。
 それなりの登り下りが続くのだが、巻き道が南側につけられているので、かなりらくだった。
 奥多摩湖がずいぶん近く見えるようになった。

 鞍部から惣岳山へはこの日最も厳しい登りになる。
 とはいえ、標高差200メートルほどである。
 この登りより、惣岳山から御前山への登り返しの方がきつかったかも知れない。

 御前山からは北面をいくらか望むことができた。
 ここにも雪解けあとに、ヒオドシチョウが飛んでいた。
 ここで大休止をとったが、あっという間に時間が過ぎた。

御前山から三頭山を振り返る(大きな写真)
御前山避難小屋(大きな写真)

 大ダワに向かう途中、御前山避難小屋に寄ってみた。
 屋内は三頭山小屋同様きれいだが、幕営スペースは少ないと感じた。
 ここも人気の山なので、平日であれば使えそうだ。

 ここからはクロノ尾山や鞘口山を越えて行くが、基本的には下りが多いので、多少はラクである。
 周囲は重厚な原生林がなくなり、植林と雑木の二次林になる。

 大ダワまで下ると、ようやく先が見えてくる。
 鋸尾根への登りはきついが、あとは基本的に下る一方だ。

 午後には降り出すという天気がもっていくれているのは何よりだったが、ロングコースの終盤とあって、同行者はみんなそろそろくたびれているようだった。
 天聖神社でひといき入れて、奥多摩駅まで一気に下った。

 駅に着いたとたんに電車が行ってしまったのはやや残念だった。