鳥の声に包まれて新緑の道を行く
−酉谷山から芋ノ木ドッケ−

【年月日】

2009年5月9日〜11日
【同行者】 全部で10名
【タイム】

5/9 三峰口(10:41)−大血川橋(11:30-11:40)−大血川観光釣り場(12:37-12:45)−東谷林道堰堤(13:19)
5/10 東谷林道堰堤(4:53)−酉谷山(8:50-9:20)−天祖山分岐(10:47-10:5)
   白岩山分岐(14:00-14:20)−大ダワ(15:19)−雲取山荘(15:45)
5/11 雲取山荘(4:50)−芋ノ木ドッケ分岐(5:50)−白岩山(6:00)
   −白岩小屋(6:17-6:33)−お清平(7:35-7:47)−霧藻ヶ峰(8:05-8:15)
   −炭焼平(8:45-8:57)−三峰神社(9:41)

【地形図】 雲取山、三峰

東谷林道のケヤキ植栽地
バイカオウレンが多い(大きな写真)

一日目(三峰口〜東谷林道堰堤)

 この日は三峰口から、東谷までの車道歩き。
 キリ、ミズキ、ホオなどの花を見ながら歩くが、かなり退屈だ。
 光岩小学校近くで、シャガやセリバヒエンソウが咲いていた。

 大血川に入ってからは、日射もきつくなってずいぶん暑く、東谷林道に入って涼しくなるとほっとする。
 前日まで強い雨が降っていたので、要所には、釣り人が入って竿を振っていた。
 東大から許可していただいた幕営予定地にも、2台のバイクがおいてあった。

 陽が落ちても、気温は下がらず、暑いくらいの夜だった。

二日目(東谷林道堰堤〜雲取山荘)

 明け方は、対岸でオオルリがさかんにさえずっていた。
 いつものようにクイナ沢橋から山にとりつく。
 雨後で、おおぜいが列をなして登るだけに、落石には気を使った。

 新緑の山では、アカハラ・アオバト・ジュウイチ・コルリ・ヤブサメ・センダイムシクイなどがにぎやかにさえずっており、いかにも春らしいムード満点だった。
 途中の崩壊箇所は、以前は全く通行不能だったが、現在のところ、スリリングではあるがどうにか通れる状態だった。

 ウダイカンバの多い小尾根からは、ウソ・ヒガラ・ルリビタキの声も聞こえていた。
 小黒ピークからバイカオウレンやミヤマカタバミの花がちらほら見え始め、酉谷山の登りにかかると、バイカオウレンがたいへん多くなった。
 酉谷山で大休止。

 空気に水分が多いと見え、雲取山あたりまでは見えていたが、富士山などは全く見えなかった。

ミヤマカタバミ(大きな写真)
イワウチワ(大きな写真)

 酉谷山から水松山にかけては水源林道を行く。
 よく整備された平坦な道で、ブナ林・ダケカンバ林・カラマツ植林が交互にあらわれる。
 ここまでに聞いた鳥以外に、コゲラ・エゾムシクイ・クロジ・ヒガラ・ミソサザイ・コマドリの声も聞こえた。

 滝谷の峰の巻きにかかるところで、すぐ下に水が湧いているのを見つけた(別ウィンドウルート地図に印あり)。
 普段は枯れてるかも知れないが、雨後であれば往復5分程度のよい水場だ。

 路傍にはタチツボスミレが多くなり、ヤマエンゴサク・ミヤマカタバミがたくさん咲いており、沢の源頭では、ハシリドコロ・エイザンスミレ・コチャルメルソウ・ユキザサ・ツルネコノメソウ・イワボタンなど、湿性の草花が咲いていた。

 ワチガイソウ咲く天祖山分岐で小休止。
 カラマツの新緑が清々しい。

 この先、水松山西峰を巻くルートに入り、天祖山への尾根道に入りかけたが、すぐに復帰。
 さらに長沢谷へ小尾根を下る踏みあとに入って、若干のルートミス。
 いずれも、傷が深くなる前に気づくことができてよかった。

 1708メートルピーク周辺は暗いヒノキの樹林帯。
 咲き始めたイワウチワがとても可憐だ。

 1818メートルピークから上は、枯れ木帯。まるで樹木の墓場だ。
 ダケカンバ林になったところもあるが、コメツガの若木が育ち始めたところもある。

 マルバダケブキやバイケイソウがたくさん芽生えている。
 このあたりは、シカの食わない御花畑になってしまうのだろうか。

コバイケイソウ芽吹く
雲取山荘から酉谷山を望む

 芋の木ドッケ直下の分岐に着いたときには、みんな相当疲れていたが、雲取山荘まではもう少しだ。

 大ダワからは女坂を行く。
 この道に入ったのは初めてだが、雲取ヒュッテの先でメインルートに合流する。

 ようやくの思いで雲取山荘に到着。
 水場に行ってまったりする前に、設営・炊事はテキパキと行動できたのは、立派だった。
 雲取山の山頂に行くのは、断念。

 夜はシカがテント場に来て、吠えたてていた。
 この日の夜も、この時期の雲取山とは思えない暖かさだった。

三日目(雲取山荘〜三峰神社)

 三日目は、夜明けとともに下山開始。
 相変わらず、鳥の声が賑やかだ。

 芋の木ドッケの巻き道に雪がなければ、不安も全くなし。
 ミソサザイ・ヒガラ・アカハラ・メボソムシクイが鳴いていた。

雲取山荘から傷のない天祖山
白岩小屋から甲武信岳遠望

 小休止をとった白岩小屋では、耳慣れない鳥の声が少なくとも2種類、聞こえていた。
 靄がかかってはいたが、大洞川や和名倉山、甲武信三山、両神山などがよく見えていた。

 出発しようとしたら、大きなシカが道を横切った。
 あれは、いつも白岩山の山頂に出てくるシカだったのろうか。

 下るにつれて、鳴く鳥もコルリやツツドリなど、中腹に多い野鳥に変わる。
 みんな疲れていたようだったので、要所で小休止をとりながら、グリーンシャワーのなかを、のんびりと三峰神社に下山した。