ヤブ深き浦山周辺の山
−有間山・蕎麦粒山−

【年月日】

1989年3月30日
【同行者】 極楽蜻蛉と友人2名
【タイム】

大日堂前(7:00)−鳥首峠(8:10-8:30)−タタラの頭
(10:40-10:55)−林道手前(11:40-12:25)−日向沢の頭南峰
(1:45)−蕎麦粒山(2:40)−仙元峠(3:10)−大日堂前(5:30)

【地形図】 武蔵日原

日向沢の頭から蕎麦粒山・三ツドッケ

 浦山の大日堂前から冠岩を経て鳥首峠へ。

 峠の浦山側は、カタクリの芽ぶく明るい雑木林だが、あきビンや あきカンが散乱していて、眼を覆いたくなる惨状だ。

 残雪はちらほら。

 滝入山、しょうじくぼの頭を経て、橋小屋の頭。
 ここからは、蕨山が眼下に見える。

 橋小屋の頭から有間山への道は、雪のためにたわんだスズタケが踏み跡を覆い、かなり消耗なヤブこぎ。

 いくつもの小ピークを越えてようやく、有間山(タタラの頭)に到着。

 タタラの頭からも、相変わらずスズタケのヤブ。
 このあたり、北面は雪が深い。

 みんな次第に空腹を感じてきたので、有間山林道に出る直前のピークの西側のスズタケのなかで強引に大休止。

 目の前には、蕎麦粒山や三ツドッケが見えた。
 風ひとつなく、春らしいあたたかくて昼寝をしたくなる。

 登山道は、しばらく行くと名栗への車道によって寸断。
 道路は舗装を終わっているが、スズタケが根ごと崩れ落ちていたり、大きな岩が転がっていたりして、惨憺たるものだった。

 急登して次の1211mピーク(仁田山)へ一気に登り、送電鉄塔を経て、県界尾根。
 ここは、広い防火帯だ。

 友人のうち一人は腰をおろし、私ともう一人でザックをおいて日向沢の峰南峰に向かった。
 鞍部から南峰への北斜面は雪が深いが、踏み跡ははっきりしており、5分で南峰。

 川苔山はよく見えたが、奥多摩方面の展望は霞のためさっぱりでがっかり。

 さっきのところへ戻り、県界尾根を西へ。
 日向沢の峰北峰を右に見ながら踏み跡にそって歩き、桂谷の頭(1400m峰)まで来ると、蕎麦粒山はもう目の前。

 ここの下りも雪が深いが、下りなので快調に下れる。
 蕎麦粒山の直下の登りは長いが、あきらめの境地で下だけ見ながら何も考えずに登った。

 蕎麦粒山に着いたのは3時過ぎ。
 周囲は霞んでいて、よく見えなかった。

 この山頂自体はさほど広くなく雑木も生えているが、岩があり、山頂らしい雰囲気のところだ。
 眼下の桂谷は、ダケカンバの白っぽい幹が光っており、美しかった。

 ここから少し下って、仙元峠へのこの日最後の登りにかかる。
 最後の登りだと思うと、いくらか頑張れる。

 仙元峠はふるい峠らしく、朽ちた大木が立っており、石のお宮がある。
 生きたブナも生えているが、この日見た中では一番大きかったと思う。

 とても雪が深かったので、一時踏み跡を失ったが、雪とササの中を泳ぐように右側にトラバースすると、稜線の上の道に出られた。

 稜線上をしばらく下り、明治神宮の立て札が立っているところで右の植林のなかに下っていく道を取る。
 そこからは左に尾根を見ながらの飽き飽きするような下り。

 道が送電鉄塔の下をくぐるところは、木が切られており、展望が良い。
 そこからは、三ツドッケが近く見えた。

 山の端に近づきつつ太陽を見ながら、芝生の上で最後の休憩をとり、あとは一気に下った。