中島川橋から少し手前にある駐車スペースに自動車をとめて、登山口へ歩く。
橋を過ぎて少し行ったところに、登山口の看板があった。
平坦な植林地の中の登山道は、遊歩道と言っていいほどによく整備されている。
さすが、東京都水道局の山だと感心する。
エルタテハが道ばたの石に止まった。
馬止で一休坂への道を分ける。
こちらもいい道だ。
傾斜がないので、らくに歩いていける。
黒えんじゅというところを過ぎ、シラベ尾根という道標の立つところをさらに登る。
黒えんじゅは、奥秩父縦走路の巻き道ルートとの交差点らしい。
ここは直進して水干方面へ登っていく。
少し登ってトラバースになり、水流を二つ渡ると、また十字路に来る。
水干尾根という道標がある。
ここはすでに笠取山直下で、右は唐松尾山への尾根道、左に行けば水干だ。
水干とは少量の水が垂れたところかと思っていたので、見に行ったが、くぼんだ石に水がたまったところなのだった。
さっきの水流で水を汲めばよかったのだが、調べ不足だった。
行動用水は十分に持ってきてあったので、このまま行動を続けることにし、シラベ尾根で大休止した。
笠取山へは、道標から急登して尾根に上がり、西へ少し登降する。
今日も雲が多かったが、富士山がほんの少し見えていた。
唐松尾山方面へ尾根を戻ると、尾根道縦走路へ下り着く。
この道も、尾根を忠実にたどるのではなく、おおむね尾根の南側を巻くようにつけられている。
丈の低いササの葉が朝露を含んでいたため、ズボンの裾がずぶ濡れになっていく。
シラビソ・コメツガ・トウヒなどの森だが、食害によって枯れて倒れた木も多い。
鹿の食害がひどくなったのはここ十数年のことだが、そろそろ、倒れる木が激増するのではないか。
途中の尾根に展望地が二ヶ所ある。
南側を見るところからは何も見えなかったが、東が見えるところからは、唐松尾山・西御殿岩・飛竜山・雲取山などが見えていた。
唐松尾山へはやや長い登りになる。
山頂は展望もないので、腰を下ろさずに将監峠方面へ下る。
この下りも尾根道でなく、山梨県側を巻き下っていく。
西御殿岩への分岐もあったが、午後の天候は不安定との情報だったので、先を急いだ。
山ノ神土に出ると、道がまた広くなる。
ここからしばらくは知った道である。
鹿防護柵の張られたところに三ノ瀬への分岐があったので、この日は将監峠まで行かずに、そこを入る。
牛王印平とおぼしき高原状のところは、まばらなシラビソ林だが、鹿防護柵によって完全に管理されている。
十字路を過ぎるとカラマツ林になり、緩やかに下っていく。
カラマツベニハナイグチがいくつか出ていた。
ミズナラやダケカンバの森になると、開花したスズタケが垂れており、このあたりのスズタケも枯死するものと思われた。
意外に長く下っていくと、将監峠へのラフロードに出る。
三ノ瀬から自動車をおいたところまでは、車道を少し登り返さねばならなかった。
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