白泰山をめざして登るのは3年ぶり4回目だった。
白泰山で晴れた経験があまりない。
最初に行った時にはうららかに晴れたのだが、2度目は台風の直撃を受けた。
3度目は5月中旬なのに、なんと雪山歩きとなった。
このところ、大滝村の山は、3月・8月と途中撤退している。
今回は、荷物も軽いので、ラクに行ってこれるかと考えていた。
バスが秩父湖に着くと、なかなかよい天気だった。
トンネルのわきからダムサイトに向かうと、トンネルのバイパス工事が行われていた。
二瀬のトンネルといえば、大型バスで通行するには、暗くてスリリングなところだったが、それも今は昔となっていくのだろう。
テニスコートを抜けて、少し急なところを登って行くと、車道に出る。
奥秩父レイクビューホステルという、かつて宿泊施設だったところの前で、ルートを少しミスした。
このあたりは、水力発電に伴う電源立地促進対策交付金でいろんな施設を作ったようだが、どれもこれも雑草に覆われてしまっている。
レイクビューホステルの先から登山道に入る。
登山道には草が生い茂っており、道標がなければ、登山道だとは思えない。
この先、登山道は4回ほど、車道を横断するが、道はどこも荒れており、よく踏まれているけもの道の方が歩きやすそうに見える。
最後の急登の手前は、切り倒されたスギの間伐材が道をふさいでおり、あたかも障害物競走のような状態だった。
小尾根に出てからは急だが、大黒山三角点まではすぐで、大滝元気プラザの建物がすぐ下に見えた。
時間があったので、テントの中でしばらく本を読んでいたが、持っていった本を読み終わると眠くなったので、寝てしまった。
目が覚めると、係員の人が刈払機で草を刈っている音が聞こえた。
所内を少し散歩して回ったが、見るべきものはあまりなく、オトギリソウやゲンノショウコが地味な花を咲かせていた。
庭では、植栽されたヤマボウシが鮮やかに色づいているのが印象的だった。
コブシにも、あまり目立たないが、実がたくさんついていた。
夜には、念のため防寒着を着て眠ったたので寒くはなかった。
川又の気温が10度だったらしいから、元気プラザもそれくらいには冷えていただろう。
コースが長いので、ヘッドランプをつけて5時に出発。
大峰三角点の手前に栃本広場の道標があるので紛らわしいが、さらに先へ進み、あずまやと水道のあるところでメインザックをデポした。
林道を渡る手前のほうがよかったかもしれないが、あずまやがあれば雨が降っても心強いので、帰りに若干遠周りになるが、ここにした。
サブザックになると、空身も同然だから、少しペースを上げた。
林道を渡って登って行くと、鉄塔の下を通って、北側が伐採されたところにくる。
コース中、展望が得られたのは、結果的にはここだけだった。
尾根が広がって少し急になると、十二天の三角点だが、まったく休まず進んだ。
一里観音までノンストップとしても1時間半程度なので、一里観音まで行って、小休止ののち白泰山まで一気に歩くことを考えていたのだが、クランク状に尾根から外れるところを過ぎてしばらくで、先行していた人たちが戻ってくるのが見えた。
登山道に熊が出たため、安全のために進むのをやめるという話だった。
歩きながらずっと、その先の歩き方を考えていたので、一里観音で呆然としてしまったが、気を取り直して下山にかかった。
栃本広場の駐車場からは、車道を渡りながら山道をどんどん下った。
ここは道標が多すぎて、どっちへ行くか、困るほどだった。
一里観音
| 栃本に着いた
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下って行くと、関所前のバス停のところに降り着いた。
下りはじめて1時間かかっていなかったので、ここでは休まず、国道を川又まで下った。
川又には、11時13分に着いたので、余裕だと思ったが、念のためバスの時刻表を見ると、中津川行きのバスは、10時45分に出たばかりで、次のバスは、13時30分発の遊湯館行きだという事実を突きつけられた。
バスはまもなくやってきたが、到着したバスの運転手さんがこちらを見て片手を上げた。
降りてきたのを見ると、先月乗ったバスと同じ運転手さんなのだった。
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