展望の尾根
- 吾妻山から龍王山 -

【年月日】

2024年3月28日
【同行者】 単独
【タイム】

宮崎公園駐車場(10:22)−MTB−宇芸神社(10:30-10:40)−MTB−新堀神社入口(10:47)
−吾妻山(11:11)−龍王山(11:46-12:25)−宮崎公園駐車場(12:58)

【地形図】 下仁田 松井田 ルート地図 (マウスホイールで拡大・縮小可 青線は自転車走行 宇芸神社から新堀神社までGPSオフのため欠落)

 宮崎公園の駐車場から自転車でスタート。

 走行予定の中ほどに宇芸神社。
 城址の中腹の急斜面に立てられた立派な神社だ。

 鳥居のわきにムクの大木あり。
 どういうわけか、かなり大きな神社なのに、狛犬がない。

宇芸神社のムク
オキナグサ

 さらに走ると、古代蓮の里。
 けっこう大きな湧水池で、水量もかなり多い。
 背後は小さな山なのに、この湧水はどこから来るのだろうか。

 池のほとりには植栽されたオキナグサが咲いていた。

 ハイキングコース入口の道標に導かれて、斜面を少し登れば、オキナグサ保護地。
 こちらはかなりの群生地となっていた。

オキナグサ
ヒオドシチョウ

 新堀神社にお参りしたのち、登山道へ。
 雑木林でシュンランがいくつも咲いていた。

 登ったところは岩のテラスで、甘楽町から下仁田町にかけての、西上州の山並みが望まれる。
 この先、尾根にはあちこちに岩のテラスがあり、いたるところで展望が開けるのだった。

 最初のピークが吾妻山で、その先いくつも小ピークを越えていく。
 陽当たりでは、冬を耐えたクジャクチョウやテングチョウが、羽を乾かしていた。

 急斜面ではミツバツツジが満開を迎えようとしており、いかにも春の風情だった。

 龍王山三角点が神成城址の詰城っぽい。
 山頂直下に五大龍王山と彫られた大きな石碑が建っているが、古代蓮湧水池の湧水をこの山の龍王が吐き出していると考えられていたのだろう。

 ここで大休止。

春蘭
ミツバツツジ

 東へ下っていくと、大きな堀切があってかなり広い削平地。
 ここが本曲輪とある。

 甘楽地方を支配した小幡氏の城だから、そこらの山城とは桁が異なり、それなりの規模である。
 しかし、お菊さんをいじめ殺した小幡の殿さまなんか、おれは大嫌いだ。

 そんなことを思っていたら、ルートをミスった。
 想定していた西中学校への道でなく、物見台展望台への道に入ってしまったのだが、れっきとした山道なので、結果的には問題なく、やや早く市街に出てしまった。

群馬自由民権の碑
光明院

 自転車を回収したのち、富岡光明院へお礼参り。

 明治17年当時、光明院の住職は小林安兵衛という人物だった。
 小林は茨城県人で自由党員。
 弾圧に次ぐ弾圧を受けたこの時期の自由党の中には、実力行使による専制政府打倒以外に道はないと考える人々が生まれていた。
 そのような路線を代表していたのが、茨城と群馬の自由党員たちだった。

 明治17年3月13日に自由党の春季大会が開かれた。
 落合寅市によれば、この大会期間中に党員有志会議が開かれ、武力行使を伴う行動を起こすことが確認されたという。
 3月22日に光明院で行われた自由党の集会は、その方針を受けて開催されたはずである。

 参加者は北甘楽だけでなく西上州一帯から集まったと思われ、この集会は、5月におきた群馬事件の伏線となった。
 境内は静かだったが、きれいに掃き清められていた。