信仰の里山
- 四ツ又山 -

【年月日】

2012年12月24日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車スペース(10:35)−大天狗峠(11:22)−四ツ又山(11:48)
−マメガタ峠(12:27)−駐車スペース(13:08)

【地形図】 荒船山 ルート地図

 晩秋に鹿岳に行ったのだが、四ツ又山にも久しく行っていないことを思い出した。
 四ツ又山だけでなく、南牧村に属する地味だが好展望な低山には、久しくご無沙汰している。
 まずは四ツ又山に行ってみようと思った。

 大久保の四ツ又山登山口の駐車スペースは5台分くらいなので、着いたときにはすでに満車だった。
 少し戻って、橋の近くの広いところに軽トラをとめた。

 スギ林の中を歩き出すと、すぐに馬頭尊の石仏と石塔を見る。
 石仏は風化しており、表情はもう、読み取れない。

 マメガタ峠の分岐を過ぎると、猪よけのバリケードに囲まれた、広い山畑に出る。
 数十年以前ならどこにでもあった斜面の畑だが、今なおこの畑に通って、作物を作っておられるとは、尊いことだ。

 再び暗い植林地を登って行くが、このあたりはかつて山畑だったらしく、到るところに石垣が積んである。
 よほど丹精な人がいたのだろう。

馬頭尊石塔
スギ林化した山畑

 明るい雑木林になって急登しばしで大天狗峠。
 大天狗の碑はあったが、大天狗の石像は見当たらなかった。
 どうしたのだろう。

 峠の道標には、直進する宮室への道は崩壊のため通行止めだったが、右折する小沢への道は、踏み跡は薄いながらも、通行可能のようだった。

 ここからは雑木の尾根を登っていく。
 いつか来たときには、ドングリなど拾いながら登ったのだったが、今年のコナラは不作らしく、ドングリは見当たらなかった。

大天狗峠の石碑
鉄剣を持つ神像(大きな写真)

 小ピークに立つと、鹿岳がま近く望まれる。
 三角点峰はそのすぐ先だった。

 三角点峰の肩に、鉄剣を持った石像。
 さらに、ピークには、額に獅子のような動物をのせた神像があった。

 天気はよかったが、強い冬型のため、浅間山には雲がかかり、麓しか見えていなかった。
 下仁田市街地方面はよく見えており、この一ヶ月の間に雑木林はすべて葉を落として、冬姿になっていた。

三角点峰の神像(大きな写真)
同左(大きな写真)

 少し戻って、第二ピークに登ると、肩にカラス天狗と祠があり、ピークには笏を持った神像があった。

第二ピークのカラス天狗(大きな写真)
同じく神像(大きな写真)

 第三ピークにはやはり、山伏姿の神像があった。
 つい数分前まで、青空が広がっていたのだが、西からよくない雲が押し寄せてき始めた。

第三ピークの神像(大きな写真)
雪雲迫る鹿岳(大きな写真)

 第四ピークには石像はなく、石祠があるだけだった。
 時間的には、鹿岳に回っても大丈夫だったのだが、ここで横殴りの風花が飛び始めた。
 展望もなく、冷たい風が南から吹き上げて、風花はほとんど真横に飛んでいた。

山畑あとのスギ林(大きな写真)
耕して天に至る

 どうしても鹿岳に行かねばならない理由もないので、今日の山行きはここまでとし、マメガタ峠から下山にかかった。
 道沿いには、峠の直下から石垣が見られ、ここまで畑を作る熱心さに驚かされる。
 下部を除けば水利もないここで、どんな作物を作ったのだろうか。

 今歩いているこの道は登山道だが、かつては仕事道だったのだろう。
 道ののり面にも、丹念に石を積んで土留めがしてある。

 下って行くと、小沢の対岸に、来るときに見た現役の山畑が見えた。
 この畑に通うにも、山道を20分ほどは歩かねばならないはずだが、自分の畑よりしっかり手入れされていて、敬服する。  いつしか雪はやみ、登山口に着くころにはまた、青空になっていた。