線が滝から立岩周回

【年月日】

1995年11月26日
【同行者】 単独
【タイム】

線が滝(10:49)−岩塊わき(11:17-11:34)
−尾根上(11:52)−西立岩(12:21)
−威怒牟畿不動(1:08)−線が滝(1:40)

【地形図】 荒船山

星尾集落から立岩
なつかしい道標

 線ヶ滝入口に自動車を停め、地下足袋をはいて歩き始めた。

 道はすぐに星尾川の源流を渡る。
 橋の下を見ると小さな魚が泳いでいた。

 その先の分岐は直登ルート。

 立岩が近くなると、完全に葉を落とした、気持ちのよい雑木林の中の登り。
 まだ11時過ぎだが、おなかがすいたので、登山道の左にケルンのような不思議な岩塊があるところで早いお昼にした。

 岩塊のあるところからはガレ場の急登。
 そして岩場。

 鎖のつけられた右側のバンドを登る。
 尾根の上にはミズナラの大木が点在しており、風もなく、疲れもなく、気持ちがよい。

 最初に登り着いたのは、登山道を少し左に入った小ピークだった。
 東、南、西が切れおちており、展望がよい。
 神流川北岸の山々をさえぎるものはなにもなく、足元には星尾の集落が箱庭のようだ。

 そこからひと登りでこの日の最高点である西立岩。
 ここは西側に大展望が広がるいいところで、ベンチも設置してある。

 ベンチに腰かけると目の前は京塚山から田口峠にかけての尾根。
 星尾峠の上あたりに浅間山。

 京塚山の右には無名のピークがふたつ並び、毛無岩方面へ続く。
 いい場所だがコーヒータイムには少し早い感じがしたので腰をあげ、急降下の道を急いだ。
 急ぐ必要はないのだが、足が軽いのでついつい速足になる。

 岩峰を左から巻き、ふたたび尾根に出たところにベンチがあったのでここで小休止。
 こういう山ではスケッチか俳句の趣味でもあれば、もっと内容の濃い山歩きができるんだがな。

 ふたたび岩峰がせまってくると、京塚山への細い踏みあと。

 スギ林を下っていくと、威怒牟畿不動に着いた。
 不動様もたくさん見たが、威怒牟畿不動は出色だ。

 不動が祀られた祠はオーバーハングした岩庇の下に安置されている。
 岩壁は40メートルほどもあるが、庇の上から飛沫状に水が落ちていた。

 威怒牟畿不動の由来を記した看板によれば、この不動は1750(寛延3)年に吉祥寺27世の光海阿闍梨がこの滝に打たれ斎戒沐浴して開いたものとのことだ。

 あとは比較的明るいスギ林の中をのんびりと下るだけだった。
 荒船山への分岐点に、近年ここで修行したものらしい大沢一心という行者の墓があり、ほかにも古い石造物があったが、風化が進んでおり、ほとんど判読できないものばかりだった。

 登山口に着いたのは1時40分だった。

 ここから直接荒船山に登るルートもあるのだが、それを示す道標は「マツダランプ」の広告がついたもので、じつにむかし懐かしいものだった。