−庚申山−
コウシンソウを見てみたいので、頑張って早起きした。
かじか荘先の駐車スペースに自動車をとめたが、さすがにハイカーが多いとみえ、ずいぶん賑わっており、後ろからマイクロバスなんかが入ってきたので、ちょっとビックリした。
やや増水しているらしい、庚申川の渓音がいい。
オオバアサガラがちょうど、花盛りだ。
一ノ鳥居から山道だが、道には石段が積んであって、さすがに修験の山とみえて、えらく手のかけられた参道だ。
カツラ・シオジ・ウダイカンバなどの自然林が続くが、途中、ネズコの並木があるのは、植えたのかも知れない。 左手には、勝道上人・大忍坊の碑なるものが建てられており、新しい供養碑もたくさんあった。
勝道は、安蘇・足尾・日光の至るところに口伝の残る、あまりにも有名な修験者である。
大忍坊は維新期に生きた赤倉・龍蔵寺の僧で、猿田彦神社で高官暗殺を密議したとして処刑された人物である。 一帯はクリンソウの群落になっていて、ちょうど見頃の花がたくさん咲いていた。
神社あとのすぐ上が二ノ鳥居で、ここもクリンソウ群落。
濡れた岩にはユキワリソウが群生し、可憐な花を咲かせていた。
サラサドウダンやシロヤシオの花がらが、登山道に点々と落ちていた。
主稜線は、いかにも足尾らしい、ササの密生した黒木の尾根。
山頂は黒木とシャクナゲに覆われて、展望皆無だったが、アズマシャクナゲの残り花が一つ、咲いていた。
梅雨に入るとさすがに、初夏のきのこがあちこちに顔を出していた。 オオワライタケ・マスタケ・スギタケ・ウスヒラタケ・フサヒメホウキタケ・アシベニイグチに似たイグチなどを見ながら下ったが、帰りも長い林道歩きがあったので、けっこう時間がかかった。 これまた久々に、銀山平のかじか荘で入浴したが、たいへん気持ちよかった。
|