雪割草と庚申草
−庚申山−

【年月日】

2009年6月20日
【同行者】 Uさん
【タイム】

銀山平(7:23)−一ノ鳥居(8:23)−猿田彦神社あと(9:35-9:50)
−庚申山(11:29)−庚申山荘(12:48-12:58)−一ノ鳥居(13:53)−銀山平(14:52)

【地形図】 足尾、袈裟丸山、皇海山 ルート地図

クリンソウ(大きな写真)
庚申草(大きな写真)

 コウシンソウを見てみたいので、頑張って早起きした。
 足尾方面の山に行くのは、久しぶりだ。

 かじか荘先の駐車スペースに自動車をとめたが、さすがにハイカーが多いとみえ、ずいぶん賑わっており、後ろからマイクロバスなんかが入ってきたので、ちょっとビックリした。

 やや増水しているらしい、庚申川の渓音がいい。
 はるか下方、樹林越しに見える渓相は、大石が転々として、迫力がある。

 オオバアサガラがちょうど、花盛りだ。
 一ノ鳥居まで林道歩きが一時間、ちょっと飽きる。

クワガタソウ(大きな写真)
キヌタソウ

 一ノ鳥居から山道だが、道には石段が積んであって、さすがに修験の山とみえて、えらく手のかけられた参道だ。
 浅い谷だが、大岩が点在し、霧が濃いのでなおさら、雰囲気がある。

 カツラ・シオジ・ウダイカンバなどの自然林が続くが、途中、ネズコの並木があるのは、植えたのかも知れない。
 なかなかいい流れだった水ノ面沢の水量が一気に減ると、クリンソウが見えてき、猿田彦神社あとのT字路に着いた。

 左手には、勝道上人・大忍坊の碑なるものが建てられており、新しい供養碑もたくさんあった。

 勝道は、安蘇・足尾・日光の至るところに口伝の残る、あまりにも有名な修験者である。
 彼に関する口伝の残る史跡はあまりにも多いので、弘法大師と同じように、安蘇・日光界隈における無名の修験者の事績がすべて、勝道に関連づけられてしまったものと思われる。

 大忍坊は維新期に生きた赤倉・龍蔵寺の僧で、猿田彦神社で高官暗殺を密議したとして処刑された人物である。
 いずれも庚申山に関連ある人間だが、この二人を並べた碑にどんな意味があるのか、わからなかった。

 一帯はクリンソウの群落になっていて、ちょうど見頃の花がたくさん咲いていた。

霧に煙る森
ヤマツツジ落花

 神社あとのすぐ上が二ノ鳥居で、ここもクリンソウ群落。
 ショウキランやクワガタソウ、キヌタソウ、ヤマオダマキなどを足元に見ながら、左へトラバースしていくと、大岩壁の基部を歩くようになる。

 濡れた岩にはユキワリソウが群生し、可憐な花を咲かせていた。
 鎖やハシゴを交えた急登しばしで、露岩の小尾根。

 サラサドウダンやシロヤシオの花がらが、登山道に点々と落ちていた。
 コウシンソウはユキワリソウと混生しながら、さかんに咲いていた。

庚申小桜
前袈裟と後袈裟

 主稜線は、いかにも足尾らしい、ササの密生した黒木の尾根。
 六林班峠あたりの雰囲気も、たしかこんな感じだった。

 山頂は黒木とシャクナゲに覆われて、展望皆無だったが、アズマシャクナゲの残り花が一つ、咲いていた。
 山頂手前の展望台からは、袈裟丸連峰が望まれたが、雲が多くてすっきりした展望とは言い難かった。

オオイタヤメイゲツ(大きな写真)
水ノ面沢の流れ

 梅雨に入るとさすがに、初夏のきのこがあちこちに顔を出していた。

 オオワライタケ・マスタケ・スギタケ・ウスヒラタケ・フサヒメホウキタケ・アシベニイグチに似たイグチなどを見ながら下ったが、帰りも長い林道歩きがあったので、けっこう時間がかかった。

 これまた久々に、銀山平のかじか荘で入浴したが、たいへん気持ちよかった。