小中駅前で左に折れ、大滝方面へ。
大滝からのラフロードはかなり荒れている。
冬型気圧配置となり、関東平野は快晴のはずだが、登山口のあたりはちょうど風花が舞いはじめていた。
尾根へのとりつきはなかなかの急登。
伐採後の二次林らしく、ササのなかにコナラ、サクラ、リョウブなどにシラカバもまじっている。
手入れのされた道をひと登りで郡界尾根の上。
ここからはアカマツやシラカバの生えた広い尾根の気持ちのよい登りだ。
1415メートル三角点にはテントを張ったらしきあとなどもあり、尾根の北側にはカラマツの植林も出てくる。
シラカバ、ダケカンバ、ミズナラなどの自然林のあたりが八重樺原だろう。
下生えのササとそれらの木が調和してとてもきれいなところだ。
北東から非常に冷たい強風が吹いてき、非常に寒い。
尾根がやせてき、シャクナゲの木が見られだすと石宮のあるところだ。
シャクナゲも葉をまるめて冬のたたずまい。
登山道はうっすらと雪におおわれており、なにかのけものが登っていく足跡が残っている。
やがて右手に袈裟丸山が見えてくる。
後袈裟は目前だが、前袈裟はまだずいぶん遠い。
見晴岩の上に登ると、晴れていれば南側が見えそうなところだが、今日は何も見えず。
袈裟丸山方面は木が茂っていて見えないから、見晴岩とはちょっと立派すぎる名前だ。
後袈裟へは急なところをひと登り。
雪はしだいに激しくなり、あたりのコメツガの若木が樹氷らしくなりつつある。
後袈裟からの下りの鞍部手前から前袈裟がぼんやりと見える。
八反張は左右が切れ落ちているところだが、左側の岩を手がかりに右のザレをトラバース。
ザレの上にうっすらと雪が積もっており、非常にいやなところを靴でステップを切って通る。
尾根の上はシャクナゲのトンネルで、花が咲けばとてもきれいなところだろう。
最後の急登を登りきると前袈裟の山頂に着く。
雪はますます強くなった。
じっとしていると寒いので、すぐに下山にかかる。
来たときの足跡はもう完全に消えている。
八反張を通過し、後袈裟まで戻るととりあえず安心。
ここであらためて腰をおろして小休止。
それにしても寒い。
潅木に助けられながらどんどん下る。
見晴岩あたりまで下ると南側がいくらか晴れてきたが、袈裟丸は相変わらずよく見えなかった。
このあたり、登りにはけものの足跡があったのだが、下りになると今度はキジかなにか鳥の足跡がしばらくついていた。
雪がないとわからないが、山道にはいろいろな動物がしょっちゅう行きかっているのだ。
八重樺原にさしかかると、積雪はほぼなくなった。
帰途に水沼駅で温泉に入っていった。