スリル満点の岩尾根
−裏妙義・丁須岩−

【年月日】

1995年12月5日
【同行者】 単独
【タイム】

国民宿舎前(10:33)−丁須岩(12:05)−赤岩(13:15)
−三方境(14:00)−国民宿舎前(15:10)

【地形図】 南軽井沢

谷急山から裏妙義

 自然探勝道を右に分け、さらに行くと籠沢(こもりさわ)をからみながらの登り。
 完全に涸れた沢だが、久しぶりに沢らしいところを登る感触を味わえた。

 両岸が岩壁になったところが木戸で、ちょっとした岩場の乗っ越しに鎖がかけられていた。
 籠沢で水が流れているのはこの鎖場だけ。
 岩壁以外に見るものとてないが、パープルに輝くムラサキシキブの実がときおり目を慰めてくれた。

 まだ使えそうな炭焼窯のあとを左に見るといよいよ源頭となり、鎖の下がった急なところを登りきると尾根の上に出た。

 そこから北を回り込み、何ヶ所かの鎖を登り、ようやく丁須岩の基部まで行くと、見慣れた展望が飛びこんできた。
 ときおり冷たい風が吹きつけていたが、この日もまずまず快晴。

 時刻がちょうどお昼だったので期待していた表妙義はまだ逆光。
 すぐ前には赤岩と烏帽子岩が屹立しており、この日の行く手が思いやられた。

 景色はいいが風が強くて閉口したので、縦走路側へ少し行った小広いところで大休止。
 風のうなりがなかなかすごいが、灌木の中の小さな日だまりに腰を下ろすと別世界。
 小一時間ほどもすごしてしまった。

 腰をあげていよいよ裏妙義の核心部へ。
 簡単ないくつかの鎖場を越えていくと、突然20メートルほどの垂直に近いチムニーの下り。
 ザックが意外にかさばっているので背中がつかえて下りにくい。

 赤岩からは岩場を下から巻いたり、桟道やすのこなどを渡した水平なトラバースルートを通ったりするのでちっとも飽きないが、かなり緊張するところもある。

 赤岩と烏帽子岩の鞍部の七人星は、尾根の上に小さな岩がいくつか突き出ていて、子持山を思い出させる。
 ここは下に下って巻く。

 烏帽子岩は赤岩より短時間で通過できた。

 烏帽子岩の先からはごく普通の登山道。
 この先に怖いところはないし、あとはずっと下りなので足どりも軽い。

 太陽がしだいに西に傾き、雑木越しに見る表妙義が斜光線に照らされる。
 右前方にそびえる谷急山は逆光の中にぼやける。

 三方境からは、雑木と植林の中をゆったりと下った。