肝を冷やした薄雪の登り
−角落山と剣の峰−

【年月日】

1994年12月6日
【同行者】 単独
【タイム】

男坂登山口(10:00)−尾根上(11:09)−角落山(11:46)
−剣ノ峰(12:37)−赤沢分岐(13:32)−女坂入口(14:24)

【地形図】 浅間隠山、軽井沢

剣ノ峰から浅間隠山

 男坂登山口は、歩き始めから踏みあとがなく、ガレた白沢を登る。
 下流部はは堰堤の連続だ。
 沢の中にはうっすらと積雪。部分的に氷結もしていて、夏ならどうということもないところを巻かされる。

 二又から赤テープのある枯れた枝沢に入ると、源頭となり、鮮明な踏みあとがあらわれた。
 恐ろしく急傾斜な道を登りつめると尾根の上で、目の前に角落山北面の岩壁。
 ほんとに登れるのか、不安がある。

 始めに2ヵ所の鎖場。
 ここは高度感はあるものの、さほどの急斜面でないのでたいしたことはない。
 さらに、切れ落ちた岩壁の中のすべりやすい急斜面に薄雪の積もったところを潅木の根を手がかりに登るところは、強風もあって、けっこうおそろしかった。

 このあたりが男坂コースの核心なのだろうが、こんなところを登らねばならないとは、男というのもつらいものだ。

 最後の鎖場を登りきるとササの中の穏やかな道となり、角落山に着いた。
 潅木ごしだが、冬晴れとあって眺めは悪くない。
 浅間隠山が、均整のとれた美しい山容を見せている。
 浅間山は全面的に冠雪し真っ白。
 浅間隠山の右に見える小さな山は、たぶん高間山。
 小野子三山、子持山、榛名などもよく見えた。

 剣の峰はすぐ目の前潅木ごしに見えているピークだ。
 鞍部へはササの下生えの中の急降下だが、手足を総動員するまでもない。
 さっきの登りにくらべれば、みどりの中のはるかにのどかな下りだ。

 赤沢林道への分岐からすぐに、ガレ場につけられた鎖場を通る。
 それを過ぎると、またも木の根やササをつかみながらの急登。

 登り着いたところには立派な遭難碑。
 剣の峰の頂上にも、別の遭難碑が立っていた。

 ここの展望も角落山と大差はなかったが、ピークの西の端に立つと浅間隠山から二度上峠への尾根や浅間山、鼻曲山などがよく見えた。
 角落山が、潅木がじゃまでよく見えないのは残念。

 帰りは、赤沢林道への女道。
 ガレ場の横断が二ヶ所あった。
 ルートは、雪のためはっきりしないが、水流のないガレ場続きなので問題はなく、すぐに赤沢林道の終点。

 周囲はカラマツの植林だが、沢の崩壊はすさまじく、至るところに砂防や堰堤。

 相変わらず秀麗な浅間隠山を前方に見ながらゆっくりと歩いていくと、自動車をおいた男坂登山口まで30分ほどだった。