小春日和の里山
−南西尾根から大持山−

【年月日】

2017年11月26日
【同行者】 全部で8名
【タイム】

渓流荘前(7:22)−安曇幹線324号廃鉄塔(8:13-8:22)−1142m峰(9:28-9:41)
−大持山(10:11)−−展望台(10:35-11:41)−−小持山(11:10-11:40)
−シラジクボのタル(12:22-12:30)−生川(13:19-13:24)−横瀬駅(14:53)

【地形図】 武蔵日原 秩父 ルート地図

 準備段階で二つばかり、問題が生じた。

 一つは、登山の一週間前に予定していたコースで死亡事故が起きたことである。
 報道によれば、トレイルランの大会の参加者が浦山側に100メートル滑落したらしい。
 それほどの急斜面は、大持山から小持山にかけての稜線しかないのだが、通常の歩行において危険なところはないはずだが、通常以上に注意して登ることが求められると思った。

 もう一つは、金曜日にタクシーの予約に少々手間どったことである。
 今まで前日でも、タクシーの予約は簡単だったのだが、もし乗れないと困るので、かなり前に予約しておいたほうがよさそうだ。

 ともあれ、当日朝の段階では移動性高気圧がまだ残っており、好天に恵まれていい登山ができそうだった。

 渓流荘のそばから登り始めたのだが、すぐに道をロストした。
 ここはいくらか強引に斜上して、登るべき支尾根に戻った。

ブナの森1(大きな写真)
ブナの森2(大きな写真)

 その先は、我慢の登り。
 324号廃鉄塔まではきつかったが、同行者のおしゃべりを聞いているだけでも、かなりらくに登れた。

 なごめるブナ林までは長い登りだが、植林が切れて雑木林になって明るくなり、気持ちがよい。
 足元には落ち葉が積もり、コナラやミズナラのどんぐりが落ちていた。
 ナラ類は今年、豊作だったようで、クマやリスにとっては、いい秋だっただろう。

 淡々と登っていけば、1142メートル峰で、周囲はブナ林となる。
 ここで小休止。大持山はもう、目の前だ。

 まことに風情のよいブナの平坦地をしばし行き、最後の急登にかかる。
 歩き始めてから20分ほどだったので、ここでは休まず先へ進む。

 緩やかに下っていくが、浦山側が切り立ってくると露岩も出てくる。

ブナの森3(大きな写真)
八ヶ岳が見える(大きな写真)

 展望台のすぐ手前で、花束を見る。
 事故発生地点だ。
 絶壁ではなく、灌木の生えた急斜面だが、滑り始めたら止まれないだろう。
 とりあえずここでは、合掌して通過した。

 展望台からの見晴らしは、奥秩父・八ヶ岳・上信国境・浅間山などが一望でき、大したものだった。
 その中で、なんといっても、両神山の威容は群を抜いていると思った。

両神山(大きな写真)
甲武信ヶ岳(大きな写真)

 展望台から少し下り、小さな偽ピークを越えた先が小持山だった。
 ここで大休止。

 何パーティかのハイカーが一休みしては通り過ぎる。
 武甲山の左肩には、谷川連峰・草津周辺かとも思われる雪山がくっきり見えた。

 ゆっくり休んで、長い下りにかかる。
 シラジクボのタルは、最低鞍部から防火帯を少し登降したところである。
 かつて変形十字路だったシラジクボのタルから長者屋敷尾根へトラバースする道は、消えかかっていた。

 緩やかなトラバースで下っていき、持山寺跡への分岐を見てジグザグに下る。

防火帯を行く(大きな写真)
工業地帯と紅葉(大きな写真)

 荒川水系渓流保存会の飼育池前で小休止。
 イワナたちが元気にしていた。
 魚の世話に毎週通っている仲間の努力に頭が下がる。

 横瀬駅までは飽き飽きする車道歩きだが、ときどき通る自動車に注意しつつ、のんびり歩いた。
 この日歩いた中で紅葉は、工業地帯の近くが最も美しかった。