大反山

【年月日】

1993年10月27日
【同行者】 単独
【タイム】

タイムとらず

【地形図】 秩父

 札所29番長泉院の駐車場から歩きだす。

 天気がよいので、あたりの風景もことさら好ましく見える。
 刈りとりの終わったソバが干してあり、おばさんがインゲンマメを摘み取っていたりする。
 カリンやカキがよく実っていたりもする。
 西からの風はもうずいぶん冷たいが、一番霜がまだなのでクワの葉はまだ枯れていない。

 新しくしたばかりらしく、こぎれいになっている若御子神社で少し腰をおろす。
 おもしろそうなことが書いてあるが、メモ帳を忘れてきてしまったのでよく調べるのはこんどにした。

 左に上がっていく道に入ると、別荘のような家の前を通り、小さな堰堤工事現場となる。
 工事現場の人とことばをかわし、沢をまたいだ先の車道をさらに登っていくと、3軒ほどの小さな集落に着いて車道は終わる。

 登山口はこのあたりと思われるが、それらしい道は見あたらなかったので少し戻り、仕事道を見つけて登りだした。
 仕事道はしばらく急登したのち、左にトラバースして植林地のなかで消えるが、さらに斜面を登っていくと、別の踏みあとがあり、こんどはそれを右に行き、水源の先でちゃんとした登山道に出た。
 この道はまっすぐ山に向かう道ではなく、25000分の1の地図にのっている若御子峠へと緩やかに登っていく道らしい。

 若御子峠は峠道と尾根道とが交差する地点で、矢印と「若みこ山」と書いた小さなプレートがある。
 ここからは尾根道を行く。
 かつて廃屋があったと思われる苔むした石垣のあるところは、赤テープがついている石垣の上へと登る。

 踏みあとのやや不鮮明な小尾根の上で電信柱の整備をしている人に会ったので、このまま登って若御子山に行けるか尋ねたところ、この尾根を登れば頂上が若御子山だと教えられた。

 少し登るが、3基のほこらが並んだところで踏みあとは消え、木につかまって斜面を登る。
 左に切れ落ちた岩場が出てくるが、地形図の崩壊地記号はここ。

 いったん右に下って岩場を巻いて、しばらくやせ尾根を行き、さらにヤブっぽいところを急登すると、ようやく大反山の肩。

 大反山の山頂は、赤テープのある登山道を少し行った、植林のなかだった。
 この先の送電鉄塔まで行こうかと思ったが、けっこう下るのでやめ、少し戻ってティータイム。

 帰りはちゃんとした登山道をどんどん下った。
 若御子峠への分岐は馬頭尊のあるところだった。

 下り着いたところは登りはじめたところのすぐ近くの人家のわきだった。
 畑を横切って小道に出、稲荷神社のところから北に折れ、もと来た道を戻る。
 帰りは千手観音堂の近戸川熊吉の奉納絵を見たり、札所29番を散歩したりしながらだったが、1時間半とかからなかった。