4日目
最終日の朝の点火が10分ほど遅れたので、少し心配したが、出発予定時刻には十分間に合った。
みんな設営・撤収に慣れてきたのだろう。
暗いうちは自分が先頭で、かなりゆっくり目に行った。
登山道が沢から離れるあたりから見ごたえのある広葉樹林となる。
道ばたにはさっそく、ヒラタケが群生していた。
小尾根にはウダイカンバやツガ、斜面にはブナ・ミズナラ・イタヤカエデ、沢状のところにはカツラの大木が生えていて、幽玄な雰囲気のところだ。
大コモリ沢への急降下は、危なそうに見えるのだが、難なく通過したものの、大コモリ沢の渡渉にやや手こずった。
靴をまったく濡らさずに渡るのは無理なので、こういうところでは、靴の中が濡れない程度の沈み石を見つけて渡れば、問題なく渡れることが多い。
次の沢を渡ってしまえば、長い吊り橋を渡って、巨大堰堤の工事現場が近づく。
ここは自分が知っている限りでも10年以上、土砂をかき混ぜては、堰堤を作っている。
お金が有り余っているのならけっこうだが、将来の国民に借金を背負わせて巨大な無駄遣いをしてるのだから、暗澹たる思いがする。
林道歩きはかなり退屈だが、やむを得ない。
無事に奈良田バス停着。
すでに到着した登山者でバスが満員になる状況だったのだが、係の人の判断で臨時のバスを出してもらえることになり、とてもありがたかった。
しかも、予定の発車時刻より20分早く出るという、願ってもない話だった。
温泉であまりゆっくり汗を流す余裕はなかったが、とりあえす衣類を着替えて少し待つだけでバスが来た。
このバスが出たおかげで、下部温泉駅で乗れないはずだった電車に乗ることができ、帰秩時刻も予定より早くなった。