好展望だった鳳凰三山

【年月日】

2017年7月31〜8月1日
【同行者】 全部で6名
【タイム】

7/31 御座石鉱泉(9:24)−石空川分岐(10:17-10:29)
   −小休止(11:15-11:24)−旭獄(12:25-12:35)−燕頭山(13:15-13:29)
   −小休止(14:19-14:24)−鳳凰小屋(15:11) 幕営
8/1 鳳凰小屋(4:50)−地蔵岳(5:59-6:11)−小休止(7:16-7:25)−観音岳(7:58-8:14)
   −薬師岳(8:38-8:44)−御座石(9:25-9:35)−小休止(10:24-10:35)
   −林道(11:37-11:49)−中道登山口(12:49-12:56)−青木鉱泉(13:43)

【地形図】 鳳凰山 ルート地図

1日目

 雨がほとんど降らず、水不足が騒がれたこの年の梅雨だが、猛暑の日が数日続いたのち、気象庁は、「関東地方は梅雨明けしたとみられる」と発表した。
 ところがその翌日から梅雨前線が南下し、曇りや豪雨の日が続いた。
 気象庁は、気まずい思いをしているだろう。
 例年なら「梅雨明け10日」の好天が続くはすだが、今回の登山も曇り時々雨の予報にぶつかってしまった。

 八王子あたりの空は青かったが、甲府を過ぎ鳳凰三山に目をやると、重そうなガスに覆われていた。
 山では降ってるかもしれないと、気がやや重くなった。

 御座石鉱泉に着くと、幸いにも雨ではなかった。
 昨年8月に来たときには、土砂降りの中登ったので、雨でないだけありがたかった。

 エゾハルゼミが絶叫する中、山にとりつく。
 路傍では、フシグロセンノウが咲いている。

 林道終点でひと息入れると、本格的な急登が始まる。
 白いヤマアジサイ・タマガワホトトギス・カラマツソウ・シモツケソウ・センジュガンピなどが点々と咲く。
 レンゲショウマはまだ、つぼみだった。
 チチタケ・クサハツ・マスタケなどがいくらか出ていた。

 ヤマハハコ・コゴメグサ・イチヤクソウ・コキンレイカ・セリバシオガマなどは、6月には見ない花だ。
 クモキリソウやコイチヨウランが咲いていたので、カメラを忘れたのが悔しかった。
 ヨツバシオガマ・ゴゼンタチバナ・オサバグサなどが出てくると、鳳凰小屋は近い。

 小屋の周りにはクルマユリ・タカネビランジ・タカネグンナイフウロ・ミヤマコウゾリナ・ミネウスユキソウ・エゾシオガマなどが咲いていた。
 テント場に他の登山者のテントはなかった。

 翌日の天気は朝から雨予報だったので、あまり期待はできなかったが、ともかく早めに眠った。
 夜半に雨が降り出し、フライシートを叩く雨音はかなり強くなった。
 翌日の行動を考えると憂鬱ではあるが、ともかく身体を休めた。
 12時ごろに外に出てみたときには、雨はほとんど降っていなかった。

二日目

 朝、起きてみると、天気は曇りだが、雨になりそうには見えなかった。

 急傾斜の針葉樹林帯を登っていくと周囲が明るくなり、ダケカンバ林になる。
 ガスでないので、カッコ良いオベリスクを見ることができそうだった。
 何をやっているのか、ホシガラスがシラビソの梢でギャーギャー鳴いていた。

 白ザレの斜面の登りになると、オベリスクが見えてからやや長い。
 富士山が見えないかと思って振り返ると、観音岳の左肩、雲海の上に富士山が見えていた。

 晴れてはいないが展望はよく、駒ヶ岳・仙丈ヶ岳が立派に見えた。
 あとは、白峰三山がそこそこ見えれば言うことなしだった。

 ハイマツのかぶさったところを少し登れば赤抜沢の頭で、北岳が目の前だった。
 前日から天候を心配していたのだが、この風景を見ることができたので、今回の登山は上々だと言えた。

 ここからは主稜線の登降となる。
 タカネビランジがすこぶる多く、ピンクの花が満開だ。
 ツマトリソウ・イワオウギ・ゴゼンタチバナ・ハクサンシャクナゲなどもよく咲いていた。

 最後の急登になる観音岳の登りをこなせば、今回の最高点に立つ。
 観音岳からは再び、雲海上の富士山が顔を出した。

 薬師岳へはほぼ下りで、正面に富士山を見ながら行く。
 下界から雲が湧いてきていたが、天気がここまでもってくれて、じつに助かった。

 さて、ここから厳しい下りになる。

 薬師岳小屋の関係者の方だろうか、山をよく知っておられる人が登ってきた。
 ここの下りですれ違ったのは、この人だけだった。
 お粗末な遭難が多くて困ると言っておられた。
 ササ原のところで転ばないように言われたが、それがとても大事なアドバイスだとわかるまで、一時間もかからなかった。

 ササに覆われたカラマツ林まで来ると、傾斜がゆるんで、一見すると歩きやすそうに見える。

 林道を渡るところで小休止。
 ここからは再び急坂となる。
 下がぬかって滑りやすかったので、ここは慎重に下った。

 登山口まで下ってホッとしたところで、いきなり驟雨がやってきた。