雨のち曇りの鳳凰三山

【年月日】

2016年8月27〜28日
【同行者】 全部で12名
【タイム】

8/27 御座石鉱泉(9:36)−石空川分岐(10:23-10:29)
   −小休止(11:12-11:17)−小休止(12:23-12:33)−燕頭山(12:55)
   −小休止(13:18-13:25)−鳳凰小屋(14:27) 幕営
8/28 鳳凰小屋(5:02)−地蔵岳(6:00-6:13)−小休止(7:08-7:14)−観音岳(7:41)
   −薬師岳(8:11-8:25)−小休止(9:20-9:30)−小休止(10:20-10:31)
   −林道(11:27-11:35)−中道登山口(11:57)−中道登山口(12:15)−青木鉱泉(12:52)

【地形図】 鳳凰山 ルート地図

1日目

 このコースを歩いたのは、10年前7年前4年前に引き続き、四度目だった。
 過去3回は6月だったから、初秋の鳳凰三山は初めてだった。

 南北に伸びる前線が東北から関東にかかり、列島の南では台風が北上していた。
 台風の速度は非常に遅く、山行中に関東に接近することは考えられなかった。
 しかし、前線の存在は無視できず、加えて列島上空に寒気が入っているというニュースもあった。

今回も巨ツガ(大きな写真)
マスタケ(大きな写真)

 好天は期待できそうになかったが、荒天というほどひどくなるとは思えなかったので、予定通り登山口に向かった。
 どういうわけか、この週末に限って路線バスの運行がなくタクシーを使ったのだが、おかげで安価かつスピーディに御座石鉱泉に着くことができた。

 韮崎を出た時には曇だったが、御座石鉱泉手前から雨になり、歩き出しから雨具を着ての行動になった。
 この時期の歩き出しはただでさえ暑いのだが、合羽を着ることによって全身が蒸れて、なかなかにきびしい出発となった。

 石空川分岐には今までなかった林道が登ってきており、自動車が一台とまっていた。
 ここで小休止したのだが、雨はこの時が最も強かったと思う。

苔濡れる(大きな写真)
キンチャヤマイグチ(大きな写真)

 燕頭山への急登がこの日の行程で最も苦しいところなのだが、同行者の一人が疲れてしまったので、何度か小休止を入れた。
 めぼしい草花も咲いていなかったが、きのこはそれなりに出ていて、写真を撮りたいと思わないでもなかったが、雨が降ってるし、自分もそれなりにきつかったので、ひたすら登った。

燕頭山のサルオガセ(大きな写真)
キサマツモドキ(大きな写真)

 大きなカノシタがたくさん出ているのを見つけた時には、とっていきたいと思ったのだが、そぼ降る雨の中、ザックをおろしてビニール袋を出す余裕はなかった。
 雨と汗で身体中がずぶ濡れになったのだが、小降りになれば多少は乾いて、一時はたいへん気持ち悪かったのが、いくらかましになった。

ホウオウシャジン(大きな写真)
ヤナギラン(大きな写真)

 当初は鳳凰小屋テント場の混雑を危惧していたのだが、悪天のおかげか、テント場は空いていた。
 小屋の周囲では、ヤナギランが咲いており、ホウオウシャジンもいくらか咲いていた。
 ホウオウシャジンを見たのは初めてだった。
 雨中とはいえ、設営も炊事も、さほど濡れないでこなせたので助かった。

二日目

 夜中じゅう、雨は降り続いた。
 夜半には一時土砂降りにもなったので、その時には困ったものだと思ったが、テントを直接叩く雨音は次第に静かになった。

地蔵岳からの雲海(大きな写真)
一瞬の青空(大きな写真)

 出発時刻にはほぼ明るくなっていたので、青空が見えていた。
 劇的に晴れの一日になることは考えられないから、この晴天は一時的なはずだ。

ミヤマコゴメグサ(大きな写真)
白峰三山(大きな写真)

 シラビソの樹林帯を抜けて白ザレの道になっても、空はまだ青かった。
 振り返ると、樹林越しに雲海が見える。
 とりあえず、いい景色を見ることはできそうなので、期待しながら歩を進めた。

 オベリスク直下に立つと、4年前と同じような雲海が見えた。
 これは上出来だった。
 駒ヶ岳には雲がまとわりついていた。

タカネビランジ(大きな写真)
イワインチン(大きな写真)

 アカヌケ沢ノ頭まで行けば白峰三山が見えるはずだったが、こちらにも雲がかかり始めており、目の前の観音岳にも同じようなガスがかかり始めていた。
 とりあえず、白峰三山を拝むことができただけでも、よしとしなければなるまい。

 観音岳手前の鞍部で小休止。
 西からの風の通り道なので、とても寒く、ここで雨合羽を羽織った。

 観音岳はスルーして、薬師岳をめざす。
 晴れていればここは絶景の尾根なのだが、残念なことにこの日は何も見えなかった。
 タカネビランジ・ホウオウシャジン・イワインチン・ミヤマコゴメグサなどを見ながら、薬師岳で小休止。

中道コースにて1(大きな写真)
中道コースにて2(大きな写真)

 薬師岳からは、慎重を期して1ピッチを約50分と決めて、オーバーペースにならないように行った。
 シラビソの森の急下降だ。

 下るにつれて、暑くなってくるのがわかる。
 きのこは、それなりによく出ていた。
 ベニテングタケ・スミゾメヤマイグチ・オオウスムラサキフウセンタケ・ウラベニイロガワリの仲間など。

ベニテングタケ幼菌(大きな写真)
ベニテングタケ幼菌(大きな写真)

 苔の美しいところも、何ヶ所があった。
 曇った日には、苔の写真が綺麗に撮れる。

 林道を渡ると、カラマツ林の急下降となる。  ハナホウキタケのみごとな菌輪やミヤマウズラの小群落を見て楽しみながら、下った。

ハナホウキタケ(大きな写真)
ミヤマウズラ(大きな写真)

 最後になってバテた同行者もいたが、ほぼ思った時刻に青木鉱泉に着くことができた。