小雨降る中アヤメを見る
- 櫛形山 -

【年月日】

2003年7月13日
【同行者】 Uさん
【タイム】

中尾根登山道入口(7:30)−南尾根登山道出合(10:00-10:15)
−アヤメ平(11:20)−裸山下(12:00-12:30)−中尾根登山道入口(13:50)

【地形図】 夜叉神峠、小笠原、鰍沢、奈良田

雨に濡れたアヤメ
しっとりと落ち着いた登山道

 ずっと前から見てみたかった、櫛形山のアヤメを見に行った。

 伊奈ヶ湖・県民の森に近づくと、警備員のような服装をした市役所のみなさんがたくさん立っていて、交通整理をされていたが、いったいどうなっているのかよくわからなかった。
 係の方の誘導で、強引に駐車場に入れられてしまったので、今日は櫛形山に登れないのかと思ったが、われわれはアヤメ祭参加者ではなく、単なるハイカーだということを説明すると、駐車場から出してもらえた。

 櫛形林道を北尾根登山道入口まで行ってみたが、駐車スペースは残っていなかった。
 そこで、もう少し走って、中尾根登山道入口から登ることにした。
 ガスは濃いが、雨はやんでいたので、アヤメを見るには十分の天候だった。

 登山道のわきには、トリアシショウマ、カラマツソウ、ヤグルマソウなど、白煙に似た花がとても多かった。
 これは、この時期の特徴なのだろう。

 キバナノヤマオダマキも、ちょうど花盛りだった。
 一見したところ、淡い黄色なのだが、真ん中の花びら(正しくは顎片)は濃いレモン色で、とてもさわやかなのだった。
 そんな中で、ナンテンハギの濃いピンクがあざやかだった。

 すぐにカラマツの植林地。
 エセオリミキが少し出ていたので、摘んでいく。
 エセオリミキをとったのは、久しぶりだ。
 何年も前に大群生した姿を、また見てみたいものだ。

 カラマツの根に、ツガマイタケも出ていた。
 ツガマイタケは、カラマツの根際に出ていることが多い。
 和名倉山で見たのも、カラマツ林だった。

 クガイソウ、レンゲショウマ、シモツケソウ、ヨツバヒヨドリ、サラシナショウマ、コバノギボウシなどはまだつぼみ。
 あと半月足らずで、ここは美しい花の道になるだろう。

 コメツガやカエデ類の多い自然林になると、センジュガンピの白い花が多くなる。
 クルマユリもいくつか咲いていた。
 ユリ類の中では、クルマユリの小さな花がもっとも可憐だと思う。

 ダケカンバの樹下にヤマイグチも出ていた。
 曇り空から、ウグイス、アカハラ、クロジのさえずりが聞こえる。

 南尾根登山道が出合うあたりは、ちょっとしたお花畑だ。
 キバナノヤマオダマキ、カワラナデシコ、アヤメなどが咲いていた。
 クガイソウが咲けば、ここはもっとにぎやかになるだろう。

 ここから先も、カラマツ林と自然林とが交互にあらわれてくる。
 池の茶屋からの道を合わせ、ズダヤクシュの花がらとマルバダケブキのつぼみの多い道を登っていく。
 コメツガの大木が、道沿いにもいくつか見られた。

 タカネバラのあざやかな花の咲いたところ(バラボタン平)で、道は二分する。
 ここは原生林コースに入った。

 ところどころに古いカラマツ林もあるのだが、おおむねコメツガ、シラビソなどの針葉樹林だ。
 一見すると、苔むした樹林のようだが、ここは、林床をマイヅルソウの群落が埋めつくしているのだった。
 ここで生きたコメツガの根に出ていたスギタケをひとかたまり、いただいた。

 にわかに周囲が騒がしくなると、アヤメ平周辺を団体さんが右往左往しており、避難小屋のあるらしき一帯は、人混みでとても近づけないので、直接アヤメ平に向かう。
 人混みのあたりでは、マイクを使って、大きな声で何か言っていた。

 アヤメ平は小さな湿原で、アヤメだけでなく、キバナノヤマオダマキやテガタチドリ、ミヤマキンポウゲなどがちょうど見ごろだった。
 あまりに混みように閉口して、ここは早々に辞し、裸山に向かった。

 裸山の肩まで少しの登りだったが、雨が強くなったので、木の下に隠れて大休止。  今日も、メニューは燗したワインにきのこラーメン。
 スギタケはあまり味がなかったが、エセオリミキはまぁまぁおいしかった。

 裸山一帯のアヤメ群落は、すばらしいの一言に尽きる。
 灰色の空を背景、アヤメ群落を前景とし、櫛形山本峰がガスに見え隠れしているのだった。

 帰りは、西側のルートからバラボタン平に向かう。
 樹林はおおむねコメツガとカラマツだが、樹齢300年という重厚な天然カラマツの巨木があった。  この木に出会えてよかった。

 その後雨が強くなったので、大急ぎで下山した。

赤石温泉

 帰る途中、赤石温泉で汗を流した。
 女性は内湯、男性は露天に行けとのお話だったので、露天風呂に行った。
 雨が降っていたのだが、赤い傘の下には、夫婦連れが憩っていた。
 自分も入れてくれとはまさか言えないから、露天で、お湯に浸かっていた。
 赤褐色の湯は加温されていて、ちょうどよい湯加減だったが、かなり強い雨が降っていたので、雨が当たるとそれなりに冷たかった。
 入湯料500円。