北沢峠の暴風にはまいった

【年月日】

1992年5月3〜4日
【同行者】 単独
【タイム】

5/3 戸台(9:55)−ニゴリ沢出合(11:20)−赤河原(1:00)
   −大平山荘(2:50)−長衛小屋(3:20)
5/4 長衛小屋(7:20)−赤河原(9:15)−戸台(11:35)

【地形図】 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳

戸台から見上げた駒ヶ岳
一日目

 伊那市街を抜け、高遠から戸台についたのは9時半ごろ。

 戸台川の広い川原が駐車場になっていて、登山補導所というところで登山届を書かせながら面接のようなことをしていた。

 川幅百メートルはありそうな川原の中、砂を積みあげた道路を行くのだが、この道がことのほか長く、初夏のような暑さだった。
 1時間ほどの歩きで大堰堤。道路歩きから解放されるが、その先も長い川原歩き。

 ニゴリ沢出合から道は左岸の林の中を通ることが多くなり、照り返しからは解放された。

 角兵衛沢出合、赤河原を過ぎて八丁坂の急登。
 治山工事の道を3度横切るあたりから雪が出てきた。
 大平山荘でスーパー林道を横切り、さらにひと登りで北沢峠。
 長衛小屋のテント場は峠から広河原側に少し下ったところだった。

 テント場についたのが3時半近かったのでろくな場所はないだろうということは覚悟していたが、思ったほどひどくない場所に張ることができた。

 夜中にいきなり突風が吹いてき、テントが横倒しになったような感じがしたのでとび起きてみると、すさまじい風が吹きまくっていて、フライシートはまくれてしまっていた。
 テント場ではボキッという音や石をさがして歩きまわる音、「やばいっ」という声、ヘッドランプの光などが行き交い、一時は騒然としていた。

 フライシートはテントの中にいれ、本体の張り綱を補強し、テントがつぶされないように中でポールの代わりに突っ張っていたので、一晩なんとか持たせることができた。
 しかし、それから仙丈ヶ岳に登ろうという気力は、朝には完全に失せていた。

二日目

 この日仙丈に向かった登山者もいたが、相変わらず風が吹いており、小仙丈の稜線に黒っぽい雲がかかっていたので、アタックはあきらめて下山することに決めた。