夜叉神峠から鳳凰三山

【年月日】

1991年4月28〜29日
【同行者】 単独
【タイム】

4/28  夜叉神登山口(5:15)−夜叉神峠(6:18)−南御室小屋
    (9:35)−観音岳(12:10)−鳳凰小屋(2:00)
4/29  鳳凰小屋(5:15)−燕頭山(6:40)−旭岳(7:05)−
    御座石鉱泉(8:25)

【地形図】 鳳凰山、夜叉神峠

観音岳から北岳を望む
観音岳から地蔵岳を望む

一日目

 八王子から臨時のアルプス号を取っておいたのだが、あまり混んでいなかった。

 甲府駅で時間つぶしのために眠ろうとしたが、駅前を行き交う暴走族の騒音と通行人の足音や話し声とで、とても寝られなかった。

 今年の夜叉神峠口行き一番バスは、ゆっくりすわれた。

 5時過ぎに登りはじめると、カラマツの植林の下に、ムラサキケマン、ヤマエンゴサク、タチツボスミレ、ニリンソウ、クリンユキフデなどが咲いていた。
 バイケイソウ、ハシリドコロ、ヤマトリカブト、ソバナなどはまだ芽をだしたばかり。

 夜叉神峠に出ると、白峰三山の雪を戴いた姿が目に飛び込み、圧倒されてしまう。
 天気は快晴で雪もなく、ほとんど夏山同然だった。

 杖立峠、山火事跡を経て、標高2300mを越えると、ようやく残雪。

 苺平あたりから足元が滑りやすくなってきたので、アイゼンをつけ、ピッケルを手にすると、背中がずいぶん軽くなった。
 南御室小屋に9時半。

 小屋の前には細いながらも水流があり、ありがたい。
 アイゼンをはずして歩きだしたのは、10時過ぎ。

 長い樹林帯の登りは砂払岳まで続く。

 砂払岳のてっぺんに登ってみると、すばらしい展望だった。
 すぐうしろには、富士山が立ち上がり、薬師、観音のふたつのピークは今日登りだしてはじめて目にした。
 甲斐駒は薬師と観音にはさまれてあまり見栄えがしないが、アサヨ峰、仙丈、北岳、間ノ岳、農鳥岳、荒川岳あたりまでは、はっきり見えた。

 薬師岳小屋の庭先を通って薬師岳。
 鳳凰らしい白ザレと積雪、ダケカンバの茶色い幹の色がとても美しい。
 さわやかな風の吹き過ぎる春の稜線だった。

 観音岳で少し休み、地蔵岳へ向かう。
 地蔵岳への登りは長いが、最後の登りなのでがんばる。

 ここまでくると、急にガスが巻いてき、地蔵岳に着いても、オベリスクは見えなかった。
 鳳凰小屋に着いたのは2時。まずまずの到着時刻だ。
 雪のないところにテントを張れたのは上出来だった。

 すぐ上のテントからナイター中継が、すぐ下のテントから山道具論が聞こえてきてうるさかったが、前夜の寝不足もあって、8時過ぎには寝てしまった。

二日目

 翌朝、4時に起きて、気圧を見ると、昨日より7mbも下がっていたので、出発のしたくを急いだ。

 5時過ぎに出発、燕頭山手前の小ピークの鞍部に出たところで小休止し、アイゼンを脱いだ。

 雨が強くなってきたので雨具を着用し、ミツバツツジのピンクがひときわ鮮やかな中、御座石鉱泉に下り着いたのは8時半だった。

 御座石のぬるい鉱泉に入り、11時まで出ない送迎バスを待った。
 入浴代とバス代あわせて3300円払ったが、東飯能から甲府まで2000円かからないことを思うと、少し高すぎると感じた。