焼額山往復

【年月日】

2022年7月8日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車場(9:37)−焼額山(11:02-11:31)−駐車場(12:39)

【地形図】 夜間瀬 切明 中野東部 岩菅山 ルート地図

 この前焼額山に行ったのは1985年6月2日だったと思うから、37年ぶりだ。
 その時には、奥志賀まで自動車で送ってもらい、黙々と登って残雪の山頂にいたり、天上の楽園のような稚児池に感動した。
 帰りは今の登山口へと、ネマガリタケの密ヤブにつけられた道をえんえん下った。
 案内してくれたTホテルの社長がときどき立ち止まって、タケノコ採りをしていた。

 その後、ほぼ全山がスキー場と化した地形図を見て、行く気にならないでいたのだが、稚児池に行きたいと思い立った。

カラマツベニハナイグチかな(大きな写真)
ツバマツオウジ(大きな写真)

 登山口はいきなりゲレンデなのだが、林道を少し行くと山道の入口があって、登山道は以前のままなのかとやや安心した。
 このあたり、道ばたにムラサキツメクサがたくさん咲いており、蝶が吸蜜していた。

 ササが刈られて歩きやすい登山道を、気分よく登る。
 周囲は二次林だが、シラビソも生えていて、それもまた気分がよい。

 しばらく歩いてゲレンデを横切る。
 スキー場の山だから、これは仕方ないと思った。
 すぐまた登山道へ。

 ところが、次にゲレンデに出たところからは、山頂直下までほぼずっとゲレンデになってしまうのである。
 外来植物らしい黄色い花やニガナが咲いているが、不愉快だ。
 芝の種もまいてある感じ。

 登山道には、「志賀高原ビールがあなたを待っている」「志賀高原ビールのためなら何でもできる」「そこで止まると志賀高原ビールが遠のく」などという、意味不明の看板が立つ。
 志賀高原ビールだけは絶対に飲むまい、と心に決めた。

 今までずいぶん、山に登ったが、登り始めるときはいつも緊張する。
 装備はもちろん、食料や飲み物はいつも多めに持ち、GPSがあっても紙の地図がないと怖くて山に入れない。
 自分の能力の半分以下で登れる山にしか行かない。

 この山はスキー場開発のため傷だらけだが、標高2000メートルを超え、もちろんリフトなど動いておらず、おれの考えでは、甘く見ていい山ではない。
 これらの「道しるべ」は、単にウケを狙ったものだろうが、その感性はとても理解できない。

稚児池(大きな写真)
稚児池湿原(大きな写真)

 山頂直下にレストハウスあり。
 稚児池はそのすぐ上だった。

 山はほぼ完全にずたずただが、稚児池は以前のままで、人工物は目に入らないようになっていた。
 2000メートルを超える山で、山頂に池塘と広い湿原があるところなど、日本中を探しても、そうあるものではない。

 ヒメシャクナゲ・トンボソウが咲き、無数のワタスゲが揺れていた。
 湿原をめぐる木道には、ツバマツオウジがたくさん出ていた。

ウラギンヒョウモン(大きな写真)
コヒョウモン(大きな写真)

 ここで大休止。

 帰りは来た道を戻った。
 登山口近くの路傍では、相変わらず何種類かの蝶が飛んでいた。