北信の山岳大観
− 雁田山周回 −

【年月日】

2019年4月29日
【同行者】 単独
【タイム】

岩松院公共駐車場(7:08)−清滝観音堂(12:09)−反射板跡(8:14-8:45)
−滝ノ入城跡(10:06-10:21)−岩松院(11:08)−岩松院公共駐車場(12:53)

【地形図】 中野西部 ルート地図

 駐車場に着いたのが早かったため、自動車は一台もとまっていなかった。
 南登山口から登るために、少し歩いた。

 すぐに浄光院。
 石段を登っていくと、茅葺屋根の重厚なお堂があった。
 ここに来ることができただけでも、よかったと思った。

浄光院(大きな写真)
妙高連峰(大きな写真)

 すべり山登山口から、支尾根にとりつく。
 感じのよい雑木の尾根だ。

 オケラなど摘みながら、新緑の尾根を登っていくと、鬼のつぼやの分岐。
 鬼のつぼやとはなんだろうと、そちらに入ってみたが、特に何もなかった。

 カタクリが群生しているが、花は終わっているか、まだ開いていないかのどちらかで、状態のよいのは少なかった。

鹿島槍(大きな写真)
オケラ(大きな写真)

 そのすぐ上が反射板跡で、展望台だった。
 ここで大休止。

 とてもけっこうな展望だった。
 鹿島槍・爺ヶ岳を中心とする北アルプス北部が一望で、戸隠・飯綱・黒姫・妙高なども、さえぎるものなく見えていた。

戸隠連峰(大きな写真)
斑尾山(大きな写真)

 雑木の尾根をしばし北上すると、標高756メートルの展望台。
 ここはさらに好展望で、斑尾山・鍋倉山・高社山・毛無山なども一望でき、北信の低山にさらに登ってみたくなった。

高社山(大きな写真)
鍋倉山(大きな写真)

 姥石を過ぎ、雑木林の尾根をさらに行くと、千僧坊。
 ここは展望なし。
 あまり疲れていないが、少し先の、滝ノ入城で小休止。

毛無山(大きな写真)
カタクリ(大きな写真)

 帰りは、千僧坊から岩松院への尾根を下る。
 最初は急だが、すぐに緩やかになり、相変わらず雑木ばかりでいい感じ。

ルリタテハ(大きな写真)
フデリンドウ(大きな写真)

 空堀あとが出てくると、大城城址の本郭。このあたりは、上杉と武田がしのぎを削った最前線である。
 説明板によれば、ここは一帯を支配した国人・高梨氏の詰城だったらしい。
 地政学的にここの支配者は、上杉か武田のどちらかに従属せざるを得ず、高梨氏は常にきびしい政治判断を強いられただろう。

福島正則廟堂(大きな写真)
岩松院(大きな写真)

 下りついたところは岩松院で、高梨氏の根小屋がおかれていそうなところ。
 ちょうど桜まつりの最中で、本日に限り拝観は無料だということだった。
 とても幸運。
 境内は露店で賑わっており、草花など、いくつか買った。

 境内の一段高いところに、福島正則のお墓があったのは意外だった。
 いうまでもなく福島は、豊臣秀吉子飼いの武将で、関ヶ原で家康方につき、大坂の陣でも家康について豊臣家滅亡に力を貸した。
 徳川が天下をとるにあたって決定的な貢献をなした人物なのだが、無断で石垣を補修したと言いがかりをつけられて巨大外様大名から小大名に改易され、死後に廃絶となった。
 その福島正則が晩年を送ったのが、この地だったとは知らなかった。

 山麓はりんご畑なので、展望がよく、北信の山々が相変わらずよく見えていた。