土地勘がないので、とりあえず犀川沿いに走って道の駅まで行ったが、それだと虫倉山へはとりつけないのだった。
一帯はおそろしく懐の深い丘陵で、幹線道路の大町街道(旧道)からずいぶん登ったところにも集落が点在し、美しい棚田が築かれていた。
鉢巻道の県道まで登ると案内図があった。
不動滝登山口はそこから集落の中の急坂をさらに登って、林道を詰めたところだった。
周回コースを考えていたので、トイレの前に自動車をとめて、さるすべり登山口へまずは移動。
トラバース道にはイカリソウやエンレイソウ・ヒトリシズカなどが咲いて、春真っ盛りの里山らしい雰囲気だった。
さるすべり登山口からは尾根道になる。
かなり急傾斜だが、雑木林の浅い緑が目に眩しい。
ヤブレガサは開いてしまっていたが、シュンランの花はまだ、見ることができた。
さらに傾斜が出てくると、虫倉神社の奥社。
まわりに杉の大木が植えてある。
その先が最初の鎖場だった。
標高を上げていくと、摘みごろのヤブレガサも出てくる。
傾斜がさらに強くなり、鎖が連続すると、先が見えてきて、山頂が崩壊しかけた虫倉山のピークに着いた。
さっそく大休止。
コーヒー一杯いれて、後立山連峰の大展望をおかずに、ヤブレガサラーメンを食した。
昨年来使っているチタンマグがゆがんでいることに初めて気づいた。
白馬三山はそれほどぱっとしないが、唐松・五竜・鹿島槍・爺あたりの迫力は、初めて目にした。
槍や穂高はやや遠く、雲に隠れていた。
北を見ると、西岳から高妻山にかけての戸隠連峰が近く、妙高山も顔をのぞかせていた。
南を見下ろすと、一面の低山だが、ここは山のひだひだに集落があり、棚田の築かれた穀倉地帯なのだった。
下山は不動滝コースへ。
気持ちのよい頂稜を西へ向かうとあずま屋のある展望台だが、見晴らしは山頂のほうがまさる。
そこからは急な下りが続く。
陽当たりがよいせいか、こちらではヤブレガサやナンテンハギはほとんど見なかった。
ヤマエンゴサク・黒花のエンレイソウ・イワボタン・ツルネコノメなどを見ながらジグザグに下る。
コゴミが開いてしまっていたのは、残念だった。
ほどなく、自動車をおいた不動滝に着いた。
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